静岡県 伊東市
里山の原風景に抱かれ、源泉掛け流しの貸切風呂を巡る伊豆高原の温泉宿
「杜の湯 きらの里」は、静岡県伊東市にある温泉旅館。山や田畑、池、小川が広がる広大な敷地に里山の原風景をそのまま写し取り、敷地に足を踏み入れた瞬間から懐かしい記憶が呼び覚まされる。大浴場には檜の内湯や壺風呂、打たせ湯、岩造りの露天風呂など趣向を凝らした湯船が並び、湯めぐりだけで時が過ぎていく。2025年12月のリニューアルではセルフロウリュサウナと桶風呂が加わり、冷たさの異なる2つの水風呂で火照りを鎮められるようになった。趣の異なる3つの貸切風呂は予約もいらず無料で、源泉掛け流しの湯を思うままに独り占めできる。夜には里山公民館で夜鳴きそばがふるまわれ、里山の夜がやさしく更けていく。

敷地内に自家源泉を持ち、男女それぞれの浴場に檜の内湯や壺風呂、打たせ湯、岩造りの露天風呂など趣向を凝らした湯船が揃う。カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉のアルカリ性の湯はとろりとやわらかく、肌をなでるような湯ざわりから美肌の湯とも称される。ぬる湯でゆるゆると長湯し、露天では四季の木々や鳥の声に包まれる。リニューアルで加わった桶風呂も含め、館内にいながら湯めぐりの愉しみが尽きない。

趣の異なる3つの貸切風呂が敷地内に点在する。巨石をくり抜いた豪快な湯船、壁面に竹をあしらった和の設え、岩に囲まれた静謐な一室と、それぞれ表情がまるで違う。いずれも源泉掛け流しで、予約もいらず空いていれば何度でも入れるのがうれしい。誰にも邪魔されない湯船に肩まで沈み、木漏れ日や夜風を独り占めする時間は、この宿ならではの贅沢である。洗い場はなく、ただ湯に浸かることだけに集中できる。

古民家を思わせるしつらえの客室には、源泉掛け流しの露天風呂が専用で備わる。誰に気兼ねすることもなく、思い立った瞬間に湯へ身を沈められるのが何よりの贅沢だ。朝は里山に差し込む光を浴びながら、夜は虫の音と星明かりのもとで、湯船を独占して過ごせる。やわらかな湯が肌を包み、部屋着のまま何度でも湯浴みを繰り返せる距離感が、旅の時間をより濃密なものにしてくれる。

2025年12月のリニューアルで大浴場に新設された乾式のサウナ。男女それぞれの浴場に備わり、自分の手で熱を育てられるセルフロウリュを楽しめる。焼けたストーンへ水を注ぐたび、白い蒸気がふわりと立ちのぼって室内の湿度を一段引き上げ、乾いた熱がやわらかな熱気へと変わる。木に包まれた静かな室内で待つうちに、じわりと汗が滲み、里山の時間そのままにゆっくりと芯まで熱が届く。深夜から早朝にかけては利用できないため、湯浴みの流れに組み込んで味わいたい。

大浴場には、常温とチラー付きの2種類の水風呂が並ぶ。角の立たないやわらかな冷たさに力を抜いて身を委ねれば、熱は急かされることなくゆっくりとほどけていく。一方、しっかり冷やされた澄んだ水は、肩まで沈む瞬間に火照りを一息に鎮め、指先まで感覚を研ぎ澄ます。 その日の体調や好みに合わせて冷たさを選び、水面を離れた後は露天へ。里山を渡る風と木々のざわめき、鳥の声が濡れた肌を包み、静かな余韻へと導く。
刺青のある方は大浴場を利用できない。館内の無料貸切風呂であれば温泉を利用できる。
JAPAN'S FINEST ONSEN & SAUNA
日本最高峰の 温泉・サウナ64選
64 SELECTIONS
調べた場所の大半は、サイトにすら載せていません。この一冊は、そこからさらに選んだものです。編集長が自ら温泉とサウナに入った場所と、取材を重ねて選んだ場所を収めました。