テーマ別ガイド編日本の名湯

箱根温泉ガイド|十七湯のエリアと泉質

神奈川県足柄下郡箱根町の箱根温泉を、箱根七湯から十七湯・二十湯へと広がった温泉群の成り立ち、湯本・強羅・仙石原・芦之湯などエリアごとの個性と多様な泉質、大涌谷の地熱と硫黄泉、登山鉄道やロープウェイによる観光、新宿からロマンスカーでのアクセスまで、箱根町観光協会などの公式情報をふまえて整理します。

公開日: 2026.01.14

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箱根温泉ガイド|十七湯のエリアと泉質

神奈川県足柄下郡箱根町の箱根温泉を、箱根七湯から十七湯・二十湯へと広がった温泉群の成り立ち、湯本・強羅・仙石原・芦之湯などエリアごとの個性と多様な泉質、大涌谷の地熱と硫黄泉、登山鉄道やロープウェイによる観光、新宿からロマンスカーでのアクセスまで、箱根町観光協会などの公式情報をふまえて整理します。

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この記事の目次

  1. 1箱根七湯から十七湯・二十湯へ:温泉群の成り立ち
  2. 2エリアごとの個性
  3. 3泉質:エリアで異なる多彩な湯
  4. 4大涌谷の地熱と硫黄泉
  5. 5観光:登山鉄道・ロープウェイ・美術館
  6. 6日帰りと宿泊の使い分け
  7. 7アクセス
  8. 8よくある質問
  9. 9まとめ
  10. 10出典

箱根温泉は、神奈川県足柄下郡箱根町に広がる温泉群の総称で、一つの温泉街ではなく、性格の異なる複数の温泉場が一帯に集まっているのが最大の特徴である。江戸時代に知られた「箱根七湯」を出発点に、明治以降の開発で温泉場が増え、現在は「箱根十七湯」、さらに大涌谷温泉などを加えて「箱根二十湯」とも呼ばれる。周辺は富士箱根伊豆国立公園に指定され、火山地形が生んだ多彩な湯と、湖・ロープウェイ・美術館群などの観光をひとつの旅にまとめられる、関東有数の総合型温泉リゾートだ。

旅行者にとっての理解のポイントは、「箱根温泉」という一つの湯があるわけではなく、エリアごとに泉質も雰囲気も異なる点にある。玄関口の箱根湯本、高台の強羅、高原の仙石原、閑静な芦之湯では、湯の性格も滞在の印象もかなり違う。そのため、初めての箱根では「どのエリアに泊まるか」を先に決めると計画が立てやすい。この記事では、箱根温泉の成り立ちとエリア別の個性、泉質、観光、アクセスを、箱根町観光協会などの公式情報をふまえて具体的に整理する。

箱根七湯から十七湯・二十湯へ:温泉群の成り立ち

箱根温泉を読み解く手がかりは、それが単一の温泉地ではなく、時代をかけて増えてきた温泉場の集まりだという点にある。江戸時代には、湯本・塔之沢・堂ヶ島・宮ノ下・底倉・木賀・芦之湯の七つが「箱根七湯」として知られ、東海道を行き交う旅人や湯治客に親しまれた。なかでも箱根湯本は最も古く、開湯は天平10年(738年)とされ、現在も箱根温泉の中心的存在である。

明治から昭和にかけて、大平台・小涌谷・二ノ平・強羅・宮城野・仙石原・湯ノ花沢・芦ノ湖・蛸川といった温泉場が新たに開発・編入され、合わせて「箱根十七湯」と称されるようになった。強羅は大正8年(1919年)の箱根登山鉄道の開通とともに温泉地として整い、十七湯のなかでは比較的新しい。さらに大涌谷温泉・湖尻温泉・早雲山温泉などを加えて「箱根二十湯」と呼ぶこともある。こうした成り立ちを知っておくと、箱根が一帯にいくつもの個性的な湯を抱える理由が見えてくる。

エリアごとの個性

箱根の核心は、エリアごとに役割と雰囲気が分かれている点にある。下の表は主要エリアの目安で、同じエリアでも宿や源泉によって体感は異なる。

エリア立地・雰囲気泉質の傾向向く滞在
箱根湯本玄関口・駅近で日帰り施設が多い単純温泉・アルカリ性単純温泉が中心初回・日帰り・移動を単純にしたい人
強羅登山鉄道沿いの高台・美術館に近い源泉ごとに多様。大涌谷からの引湯系も旅館滞在・落ち着いた1泊
仙石原標高約700mの高原・すすき草原酸性泉系や白濁した湯がみられる景色と静けさを重視する人
芦之湯駒ヶ岳の麓の閑静な温泉地硫黄系・重曹泉などがみられる静かな湯治気分を味わいたい人

箱根湯本は、箱根登山鉄道の起点でもあり、駅周辺に日帰り温泉や土産物店が集まる。移動を単純にしたい初回の旅や、日帰りの拠点として使いやすい。強羅は登山鉄道とケーブルカーで結ばれた高台のエリアで、美術館や旅館滞在と相性がよく、やや落ち着いた雰囲気になる。仙石原は標高700m前後の高原に開けた温泉リゾートで、秋のすすき草原で知られ、景色や静けさを重視する人に合う。芦之湯は文人墨客に親しまれた閑静な温泉地で、にぎやかさより落ち着きを求める滞在に向く。

泉質:エリアで異なる多彩な湯

箱根の湯は、一つの泉質でくくれないのが特徴だ。箱根湯本は単純温泉・アルカリ性単純温泉が中心で、刺激が穏やかで肌当たりがやわらかい。一方、宮ノ下のようにナトリウム塩化物泉が出るエリアもあり、強羅は源泉ごとに泉質が多様とされる。仙石原では酸性泉系や白く濁った湯がみられ、芦之湯では硫黄を含む湯や重曹泉が楽しめるなど、エリアをまたぐと湯の個性がはっきり変わる。泉質ごとの特徴を整理して読みたい場合は温泉の泉質を初心者向けにを参照してほしい。

この多様さは、箱根が火山活動の盛んな地域に位置し、複数の異なる源泉系統を抱えていることに由来する。同じ「箱根温泉」でも、湯本の透明な単純温泉と、大涌谷由来の白濁した硫黄系の湯では、入り心地がまったく違う。確実に湯の性格を知りたい場合は、宿や日帰り施設に掲示された温泉分析書で泉質名を確認するのがよい。刺激の穏やかな単純温泉でも、長湯はのぼせや疲労につながるため、観光と組み合わせる箱根では入浴を時間で区切り、合間に水分を取るほうが無理が少ない。

大涌谷の地熱と硫黄泉

箱根の火山らしさを最も実感できるのが大涌谷だ。約3000年前の箱根火山の水蒸気爆発でできたとされる地形で、今も斜面のあちこちから噴煙が立ちのぼり、硫黄のにおいが立ち込める。ここから引かれる蒸気造成の温泉が、強羅や仙石原など周辺エリアの湯の一部を支えている。引湯される湯には酸性のカルシウム硫酸塩・塩化物泉系の白濁した湯があり、透明な湯本の単純温泉とは対照的な体験ができる。

大涌谷の名物が「黒たまご」だ。温泉池でゆでた卵の殻に、湯に含まれる硫黄分と鉄分が反応して硫化鉄が付着し、殻が真っ黒に染まる。硫黄のにおいや白濁した湯が苦手か気になる人は、なぜ温泉が硫黄臭を放つのかを硫黄泉のにおいの正体で知っておくと、大涌谷の湯をより落ち着いて楽しめる。なお大涌谷は火山ガスの状況によって立ち入りや遊歩道が規制されることがあるため、訪問前に最新情報を確認しておきたい。

観光:登山鉄道・ロープウェイ・美術館

箱根は、温泉そのものを深掘りするより「温泉を含む旅全体の組み立てやすさ」で強みが出る。移動手段そのものが観光になるのが特色で、箱根登山鉄道は急斜面をスイッチバックで上り、ケーブルカー、ロープウェイ、芦ノ湖の海賊船を乗り継いで一帯を周遊できる。箱根湯本から登山鉄道とロープウェイを乗り継いで大涌谷や桃源台(芦ノ湖)方面へ向かう動線が定番だが、乗り換えが多く時間もかかるため、移動を旅程の一部として見込んでおくとよい。

観光の核になるのが芦ノ湖と大涌谷だ。芦ノ湖では遊覧船から湖と、晴れていれば富士山の眺めを楽しめ、大涌谷では噴煙地の火山景観を間近に見られる。加えて箱根は美術館の多い地域でもあり、彫刻の森美術館やガラスの森美術館、ポーラ美術館などが点在する。自然のなかに建つ展示空間の建築そのものを味わうなら、温泉地の建築とデザインの視点も参考になる。ただし全部を詰め込むと移動と鑑賞で一日が埋まりやすいため、温泉を主役にしたいなら観光は一〜二か所に絞るほうが落ち着く。

日帰りと宿泊の使い分け

箱根は首都圏から近く、日帰りでも宿泊でも成立する。日帰りなら、箱根湯本周辺の日帰り温泉に入り、登山鉄道で少し足を延ばす程度に絞ると、移動に追われずに済む。観光まで欲張ると移動時間の比重が大きくなりやすいため、行き先を絞るのがこつだ。

一方、強羅や仙石原まで含めて落ち着いて楽しみたい場合や、エリアごとに違う湯を味わいたい場合は宿泊が向く。旅館に泊まるか日帰り施設を使うかで過ごし方が変わるため、施設タイプの違いは日本の入浴施設のタイプで整理している。箱根の宿や日帰り入浴施設を探すなら、地域や予算で絞り込めるよう施設一覧や検索ページを用意している。宿はエリアによって雰囲気も泉質も異なるため、どのエリアに泊まるかを先に決めてから探すと選びやすい。

アクセス

箱根温泉の玄関口はJR・箱根登山鉄道の箱根湯本駅だ。東京方面からは、新宿から小田急の特急ロマンスカーで箱根湯本まで乗り換えなしに向かう経路が分かりやすく、所要はおよそ85分が目安とされる(速達便ではこれより短い場合もある)。箱根湯本からは箱根登山鉄道に乗り換え、強羅・仙石原・芦ノ湖方面へと、ケーブルカーやロープウェイ、海賊船を組み合わせて回る。

車でも行けるが、週末や連休、紅葉シーズンは道路や駐車場が混雑しやすく、箱根は坂や高低差のある地形のため、混雑日ほど鉄道・ロープウェイ中心のほうが計画が読みやすい。各交通機関がセットになったフリーパス型の乗車券もあり、複数のエリアを周遊するなら検討の余地がある。観光と温泉を組み合わせる場合は、どのエリアを主役にするかを先に決めておくと、滞在時間の配分に迷いにくい。

よくある質問

「箱根温泉」とは一つの温泉のことですか

いいえ。箱根温泉は神奈川県足柄下郡箱根町に広がる温泉群の総称です。江戸時代の「箱根七湯」を出発点に、明治以降の開発で温泉場が増え、現在は「箱根十七湯」、さらに大涌谷温泉などを加えて「箱根二十湯」とも呼ばれます。エリアごとに泉質も雰囲気も異なります。

エリアによって泉質は違いますか

違います。箱根湯本は単純温泉・アルカリ性単純温泉が中心で穏やかな湯、強羅は源泉ごとに多様、仙石原は酸性泉系や白濁した湯、芦之湯は硫黄系や重曹泉がみられるなど、エリアをまたぐと湯の個性が変わります。火山地域で複数の源泉系統を抱えるためです。

大涌谷の黒たまごとは何ですか

大涌谷の温泉池でゆでた卵で、湯に含まれる硫黄分と鉄分が反応してできた硫化鉄が殻に付着し、殻が真っ黒に染まったものです。大涌谷は約3000年前の箱根火山の活動でできた地形とされ、今も噴煙が立ちのぼる地熱地帯です。

新宿から箱根へはどう行きますか

新宿から小田急の特急ロマンスカーで箱根湯本駅まで乗り換えなしに向かう経路が分かりやすく、所要はおよそ85分が目安です。箱根湯本からは箱根登山鉄道に乗り換え、ケーブルカー・ロープウェイ・海賊船を組み合わせて各エリアを周遊できます。

日帰りでも楽しめますか

楽しめます。箱根湯本周辺の日帰り温泉に入り、登山鉄道で少し足を延ばす程度なら日帰りでも成立します。ただし観光まで含めると移動時間が増えるため、強羅や仙石原まで広げてエリアごとの湯を味わいたい場合は宿泊が向きます。

まとめ

箱根温泉は、神奈川県足柄下郡箱根町に広がる温泉群の総称で、箱根七湯を起点に十七湯・二十湯へと広がってきた、富士箱根伊豆国立公園内の総合型温泉地である。玄関口の箱根湯本、高台の強羅、高原の仙石原、閑静な芦之湯ではそれぞれ泉質も雰囲気も異なり、大涌谷の地熱と硫黄系の湯、登山鉄道・ロープウェイ・海賊船による周遊、美術館群までをひとつの旅にまとめられる。

初めて訪れるなら、全部を見ようとするより、まずどのエリアに泊まるかを決め、主要な観光を一〜二か所に絞るほうが満足しやすい。温泉と観光、景色をバランスよく楽しみたい人にとって、箱根は首都圏から組み立てやすい目的地の一つである。

出典

  • 箱根町観光協会「箱根十七湯」
  • 箱根町観光協会「大涌谷噴煙地」
  • 箱根町「温泉(おんせん)」
  • Wikipedia「箱根温泉」

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