旅行の準備は、いつもワクワクする。スーツケースを開き、何を持っていこうか考える時間。しかし、日本の温泉やサウナ旅行となると、話は少し複雑になる。
「サウナマット」とは何だろうか。浴衣は持参すべきなのか。タオルは何枚必要なのか。初めて日本の温泉やサウナを訪れる人にとって、持ち物リストは謎だらけだ。
小生も初めての温泉旅行では、何を持っていけばいいのか分からず、現地で慌てて購入した経験がある。この記事では、そんな失敗をしないための、完璧な持ち物リストを紹介していく。
絶対に忘れてはいけない必須アイテム
まず、これだけは絶対に忘れてはいけないというアイテムから始めよう。
サウナマット:日本のサウナ文化の必需品
日本のサウナを訪れるなら、サウナマットは必須中の必須だ。これがないと、サウナに入ることすら躊躇される。なぜなら、サウナマットなしで座ることは、日本では重大なマナー違反とされているからだ。
サウナマットは、30cm×40cm程度のタオル地やメッシュ素材のマットだ。価格は1,000円から3,000円程度。サウナ愛好家の間では、自分専用のマットを持つことが当たり前になっている。
このマットを忘れた場合、施設で販売していることもあるが、人気施設では売り切れていることも多い。出発前に必ず確認し、バッグに入れておくべきだ。
タオル:大小2種類を用意する
日本の温浴施設では、タオルが重要な役割を果たす。小さなタオル(手ぬぐいサイズ)は、浴室内で身体を洗ったり、頭に乗せたりするのに使う。大きなタオル(バスタオル)は、脱衣所で身体を拭くのに使う。
小さなタオルは2〜3枚、大きなタオルは1〜2枚が目安だ。多くの施設ではタオルのレンタルもあるが、有料で200〜500円程度かかる。頻繁に温泉やサウナに通うなら、自分専用のタオルを用意するほうが経済的だ。
水分:脱水症状を防ぐ生命線
温泉やサウナでは、想像以上に汗をかく。500mlから1リットル程度の水分を失うこともある。水筒に水やスポーツドリンクを入れて持参することを強く推奨する。
施設内にも自動販売機はあるが、人気施設では売り切れていることもある。特にサウナでは、こまめな水分補給が「ととのう」ための鍵でもある。水分を忘れると、頭痛やめまいの原因になり、せっかくの体験が台無しになってしまう。
ビニール袋:濡れ物対策の隠れた必需品
意外と忘れがちだが、ビニール袋は必須アイテムだ。濡れたタオルやサウナマット、使用済みの服を入れるのに使う。2〜3枚持参すると安心だ。
ビニール袋がないと、濡れたタオルが他の荷物を濡らしてしまう。特に、複数の施設をはしごする場合や、帰りの交通機関を使う場合は、ビニール袋が救世主になる。
サウナ体験を格上げするアイテム
必須ではないが、持っていくことでサウナ体験が格段に向上するアイテムがある。
サウナハット:頭を守る賢者の帽子
サウナ室は高温だ。長時間入っていると、頭部がのぼせてしまうことがある。サウナハットは、この問題を解決してくれる。
フェルト製やタオル地のサウナハットは、頭部を熱から守り、のぼせを防ぐ。価格は2,000円から5,000円程度。最近では、おしゃれなデザインのサウナハットも増えている。
サウナ施設で、カラフルなサウナハットをかぶった人々を見かけるだろう。それは、単なるファッションではなく、快適なサウナ体験のための実用的なアイテムなのだ。
サウナポンチョ:外気浴を極める秘密兵器
外気浴は、「ととのう」ための最も重要なステップだ。しかし、冬の屋外での外気浴は、身体が冷えすぎることがある。そこで役立つのが、サウナポンチョだ。
サウナポンチョは、外気浴時に羽織る軽いポンチョだ。身体を冷やしすぎず、かつ適度な涼しさを保てる。本格的なサウナーの多くが愛用している。価格は3,000円から8,000円程度。
保湿アイテム:温泉後の肌を守る
温泉やサウナの後、肌が驚くほど乾燥することがある。特に冬場は深刻だ。化粧水、乳液、リップクリームなどの保湿アイテムを持参することを強く勧める。
温泉の成分によっては、肌が乾燥しやすくなることもある。硫黄泉や酸性泉は、特にその傾向が強い。入浴後すぐに保湿することで、肌のコンディションを保てる。
宿泊する場合の追加アイテム
温泉旅館やホテルに宿泊する場合、さらにいくつかのアイテムが必要になる。
常備薬:万が一に備える
旅行先で体調を崩すことは、誰にでもありうる。頭痛薬、胃腸薬、絆創膏など、基本的な常備薬は必ず持参すべきだ。持病がある人は、処方薬を忘れずに。
温泉地は、都市部から離れていることも多い。深夜にドラッグストアを探すのは困難だ。事前に準備しておけば、安心して旅行を楽しめる。
充電器と延長コード:現代生活の必需品
スマートフォンの充電器は、忘れてはいけない。また、意外と役立つのが延長コードだ。旅館の部屋では、コンセントが遠い場所にあることも多い。延長コードがあれば、ベッドサイドで充電できる。
本やタブレット:至福の読書時間
温泉旅行の醍醐味の一つは、入浴後の休憩時間だ。部屋でゆっくりと本を読む。あるいは、タブレットで映画を見る。この贅沢な時間を最大限に楽しむために、お気に入りのコンテンツを用意していこう。
ただし、浴室内には絶対に持ち込んではいけない。プライバシーの問題で、大きなトラブルになることがある。
季節別の必需品
日本には四季がある。季節によって、持ち物も変わってくる。
夏の温泉旅行:日焼け対策が命
夏の露天風呂は最高だ。しかし、油断すると日焼けで痛い目に遭う。日焼け止め、帽子、サングラスは必須アイテムだ。
また、虫除けスプレーも忘れずに。山間部の温泉では、蚊やアブが多いこともある。屋外の露天風呂を楽しむなら、虫除け対策は重要だ。
冬の温泉旅行:雪見風呂の準備
冬の温泉旅行、特に雪見風呂は日本の温泉文化の極致だ。しかし、移動中の寒さは想像以上だ。厚手のコート、マフラー、手袋、使い捨てカイロなどを持参しよう。
保湿クリームとリップクリームも、冬は特に重要だ。乾燥した空気と温泉の組み合わせは、肌を驚くほど乾燥させる。
小銭の重要性:見落とされがちな必需品
日本の多くの温泉施設では、ロッカーに100円玉が必要だ。また、自動販売機で飲み物を買うときにも小銭が便利だ。
1,000円から2,000円程度の小銭、特に100円玉を多めに用意しておくことを強く推奨する。深夜に両替機を探し回る羽目になりたくないなら、事前の準備が肝心だ。
持っていくべきでないもの
逆に、温泉旅行に持っていくべきでないものもある。
高価なアクセサリーは避けるべきだ。温泉の成分で変色する可能性がある。また、紛失のリスクもある。貴重品は最小限にし、必要なものだけを持参する。
大量の荷物も避けたい。温泉旅行の魅力の一つは、身軽さだ。リラックスするための旅行で、重い荷物を持ち歩くのは本末転倒である。
忘れ物をしたら:現地での対処法
万が一、何か忘れてしまっても、慌てる必要はない。多くの温泉施設では、タオルやシャンプーなどの基本的なアイテムが販売されている。
サウナマットを忘れた場合は、施設のフロントで聞いてみるといい。販売していることもある。ただし、人気施設では売り切れていることもあるので、やはり事前に持参するのがベストだ。
近隣にコンビニやドラッグストアがあれば、そこで基本的なアイテムは購入できる。日本のコンビニは、驚くほど品揃えが豊富だ。
完璧な準備で、最高の体験を
日本の温泉・サウナ旅行の持ち物リストは、確かに長い。しかし、一つ一つのアイテムには明確な理由がある。完璧な準備をすることで、現地での心配事がなくなり、体験に集中できる。
サウナマット、タオル、水分、ビニール袋。この4つは絶対に忘れてはいけない。これさえあれば、基本的には問題ない。あとは、自分のニーズに合わせて追加していけばいい。
準備は、旅行の一部だ。何を持っていこうか考える時間も、楽しみの一つである。このガイドを参考に、あなただけの完璧な持ち物リストを作ってほしい。
そして、完璧な準備で日本の温泉・サウナ旅行に臨み、深い「ととのい」を体験してほしい。準備万端で訪れる温泉は、きっとあなたに忘れられない思い出をもたらすはずだ。
