
日本のサウナ施設を訪れると、驚くほど多様なサウナに出会います。カラカラに乾燥した高温サウナ、蒸気に包まれるミストサウナ、塩を塗って入るサウナ、そして野外のテントサウナ。
「どのサウナが自分に合っているの?」「それぞれ何が違うの?」「初心者におすすめは?」
この記事では、日本で体験できる主要な7種類のサウナについて、温度、湿度、特徴、効能、そして楽しみ方を詳しく解説します。これを読めば、あなたに最適なサウナが見つかります。
1. フィンランド式ドライサウナ:日本で最も一般的
特徴
温度:80〜100℃ 湿度:10〜20% 体感:カラカラに乾燥、熱い
これが日本で最も一般的なサウナです。多くのスーパー銭湯やサウナ施設に設置されています。
構造
サウナストーブ
- 電気式ストーブが主流
- ストーブの上には「サウナストーン」
- 石に水をかけて蒸気を発生させる(ロウリュ)
段差式の座席
- 上段:最も熱い(95〜100℃)
- 中段:中間(85〜90℃)
- 下段:最も涼しい(80〜85℃)
上に行くほど熱くなります。初心者は下段から始めましょう。
フィンランド式の特徴
ロウリュ(Löyly) サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる行為。これにより:
- 体感温度が10〜20℃上がる
- 湿度が一時的に上昇
- より深い発汗
セルフロウリュ 一部の施設では、自分で水をかけることができます。
オートロウリュ 定時に自動で水がかけられるシステム。
スタッフロウリュ スタッフが大きなタオルを振って熱波を送るパフォーマンス。
効果
- 発汗促進:大量の汗をかく
- デトックス:老廃物の排出
- 血行促進:血管が拡張
- 疲労回復:筋肉の緊張がほぐれる
おすすめの人
- サウナ初心者
- しっかり汗をかきたい人
- 「ととのう」体験をしたい人
代表的な施設
- ほぼすべてのスーパー銭湯
- カプセルホテル併設サウナ
- 専門サウナ施設
2. スチームサウナ(蒸気サウナ):肌に優しい
特徴
温度:40〜50℃ 湿度:90〜100% 体感:蒸気に包まれる、息がしやすい
ドライサウナに比べて温度が低く、湿度が高いのが特徴です。
構造
蒸気発生装置
- ボイラーで蒸気を発生
- 室内に蒸気を送り込む
- 常に白い霧に包まれている
座席 フラットな座席が多い(段差がない場合も)
スチームサウナの特徴
やさしい熱さ 低温なので、長時間入っていられます。サウナ初心者や高齢者、子供にも優しい。
湿度が高い 蒸気が肌を包み込み、保湿効果があります。
呼吸が楽 乾燥していないので、呼吸器系に優しい。
効果
- 美肌効果:毛穴が開き、肌がすべすべに
- 保湿効果:乾燥肌に最適
- 呼吸器系に優しい:喉や鼻に負担が少ない
- リラクゼーション:ゆっくり入れる
おすすめの人
- サウナ初心者
- 乾燥肌の人
- 長時間入りたい人
- 高温が苦手な人
代表的な施設
スーパー銭湯、温泉施設に併設されていることが多い。
3. 遠赤外線サウナ:体の芯から温まる
特徴
温度:60〜70℃ 湿度:10〜20% 体感:マイルドな熱さ、じんわり温まる
遠赤外線を使って体を温めるサウナです。
仕組み
遠赤外線ヒーター
- 遠赤外線が体の深部に浸透
- 体の内側から温まる
- 表面だけでなく、芯から温まる
遠赤外線サウナの特徴
低温でも効果的 温度は低めですが、遠赤外線の効果で体がしっかり温まります。
長時間入浴可能 低温なので、20〜30分入っていられます。
体の芯から温まる 表面温度は低くても、体の内部温度は上昇します。
効果
- 深部体温上昇:体の芯から温まる
- 代謝促進:基礎代謝が上がる
- 冷え性改善:血行が良くなる
- 疲労回復:深い疲れに効く
おすすめの人
- 冷え性の人
- じっくり温まりたい人
- 高温が苦手な人
- 疲労が深い人
4. 塩サウナ:美肌効果抜群
特徴
温度:40〜50℃ 湿度:60〜80% 特殊性:塩を体に塗る
サウナ室に塩が置いてあり、体に塗りながら入るユニークなサウナです。
塩サウナの入り方
- サウナ室に入る
- 用意されている塩を取る
- 全身に塩を塗る
- 10〜15分待つ
- 汗と一緒に塩が溶ける
- シャワーで洗い流す
塩サウナの効果
美肌効果
- スクラブ効果:古い角質が取れる
- ミネラル補給:塩のミネラルが肌に浸透
- 保湿効果:肌がツルツルになる
- 毛穴の浄化:汗と塩で毛穴がきれいに
デトックス効果
- 塩が浸透圧で老廃物を引き出す
- むくみ解消
注意点
- 肌が敏感な人は注意
- 擦りすぎない(優しく塗る)
- 傷がある場所は避ける
おすすめの人
- 美肌を目指す人
- 角質ケアをしたい人
- むくみが気になる人
5. ミストサウナ:最もマイルド
特徴
温度:35〜45℃ 湿度:100% 体感:霧に包まれる、最も優しい
細かい霧(ミスト)で満たされたサウナです。
ミストサウナの特徴
最も低温 すべてのサウナの中で最も温度が低く、誰でも入りやすい。
高湿度 霧が肌を潤し、スキンケア効果があります。
香り アロマオイルを混ぜたミストを使う施設も多い。
効果
- 保湿効果:肌の乾燥を防ぐ
- リラクゼーション:アロマでリラックス
- 呼吸器系に優しい:喉や鼻を潤す
- 美肌効果:毛穴が開く
おすすめの人
- サウナ初心者
- 高温が苦手な人
- 乾燥肌の人
- リラックスしたい人
6. 薪サウナ:本格フィンランド式
特徴
温度:70〜90℃ 湿度:変動(ロウリュにより) 特殊性:薪で加熱
薪ストーブで加熱する、最も伝統的なフィンランド式サウナです。
薪サウナの特徴
薪の香り 薪が燃える独特の香りが、サウナ体験を特別なものにします。
柔らかい熱 電気ストーブとは異なる、柔らかく包み込むような熱。
本格的なロウリュ 薪ストーブの石は大量の熱を蓄え、ロウリュの蒸気が豊富です。
サウナ小屋 多くは独立した木造の小屋として設置されています。
効果
- フィンランド式サウナの本格的な体験
- 深いリラクゼーション
- 自然との一体感
おすすめの人
- サウナ愛好家
- 本格的な体験を求める人
- 自然が好きな人
代表的な施設
- 一部の高級サウナ施設
- グランピング施設
- 温泉リゾート
7. テントサウナ:アウトドアの極上体験
特徴
温度:70〜100℃ 湿度:変動 場所:屋外(川、湖、海辺)
テント型のポータブルサウナ。アウトドアで楽しむ新しいスタイルです。
テントサウナの特徴
自然の中で 川辺、湖畔、海辺など、自然の中に設置します。
水風呂は自然の水
- 川に飛び込む
- 湖に入る
- 海に入る
これが最高の「ととのい」体験を生み出します。
薪ストーブ テント内に小型の薪ストーブを設置。
セルフロウリュ 自分たちで水をかけて蒸気を調整。
テントサウナの楽しみ方
- テントを設置
- 薪ストーブで加熱
- サウナに入る
- 川や湖に飛び込む
- 外気浴(自然の中で)
- これを繰り返す
効果
- 究極の「ととのい」:自然の中での最高体験
- アドベンチャー感:特別な思い出
- 仲間との絆:友人と楽しむ
おすすめの人
- アウトドア好き
- 冒険心がある人
- 仲間とサウナを楽しみたい人
体験できる場所
- キャンプ場
- グランピング施設
- レンタルサービス
- サウナイベント
サウナの選び方:自分に合ったサウナを見つける
初心者におすすめ
- ミストサウナ:最も優しい
- スチームサウナ:息がしやすい
- 遠赤外線サウナ:マイルド
しっかり汗をかきたい
- フィンランド式ドライサウナ:最も一般的
- ロウリュ付き:発汗促進
- 高温設定:上級者向け
美肌効果を求める
- 塩サウナ:スクラブ効果
- スチームサウナ:保湿効果
- ミストサウナ:肌に優しい
本格的な体験を求める
- 薪サウナ:伝統的
- テントサウナ:アウトドア
- フィンランド式:本場のスタイル
複数のサウナを組み合わせる
多くの施設では、複数種類のサウナを用意しています。
おすすめの順番
- ドライサウナで体を温める(8分)
- 水風呂でクールダウン(1分)
- 外気浴で休憩(5分)
- 塩サウナで美肌ケア(10分)
- スチームサウナで締めくくる(10分)
このように組み合わせることで、様々な効果を得られます。
サウナ選びのポイント
温度で選ぶ
- 高温(80℃以上):しっかり汗をかきたい
- 中温(60〜80℃):バランス型
- 低温(60℃以下):長時間入りたい
湿度で選ぶ
- 低湿度(20%以下):カラッと乾燥
- 中湿度(40〜60%):適度な湿り
- 高湿度(80%以上):蒸気に包まれる
目的で選ぶ
- ととのいたい:フィンランド式
- 美肌になりたい:塩サウナ
- リラックスしたい:ミストサウナ
- 冷え性改善:遠赤外線サウナ
まとめ:多様性が日本のサウナ文化の魅力
日本のサウナは、フィンランドから伝わったサウナを独自に進化させ、実に多様な種類を生み出しました。乾燥した高温サウナから、優しいミストサウナ、美肌効果の塩サウナ、そして自然の中のテントサウナまで。
この多様性こそが、日本のサウナ文化の豊かさです。自分の体調、好み、目的に応じて、最適なサウナを選ぶことができます。
日本を訪れたら、ぜひ様々な種類のサウナを体験してください。それぞれが異なる魅力を持ち、新しい発見があるはずです。
日本のサウナの多様性は、世界に誇る文化です。