サウナ室で、カラフルな帽子を被った人々を見かける。動物の形をしたもの、富士山の形をしたもの、アニメキャラクターのもの。「なぜ、サウナで帽子を?」。初めて見た人は、そう思うだろう。
これが、サウナハットだ。元々はフィンランドやロシアの実用品だったが、日本では独自の進化を遂げ、ファッションアイテムにもなった。この記事では、サウナハットの実用性と、日本での文化的変容について解説していく。
最初の違和感
小生が初めてサウナハットを見たのは、3年前だった。サウナ室に入ると、隣に座った男性が、フェルトの帽子を被っていた。「なぜ?」と疑問に思ったが、声をかける勇気はなかった。
しかし、観察していると分かってきた。彼は、長時間サウナに入っていられる。小生が8分で限界だったのに、彼は12分、15分と平然と座っている。そして、出てきた後も、のぼせた様子がない。
「あの帽子に、何か秘密があるのか」。そう思い、サウナハットについて調べ始めた。そして、購入を決意した。
初めてのサウナハット体験
初めてサウナハットを被ってサウナ室に入ったとき、正直に言えば恥ずかしかった。「変な目で見られるのではないか」。しかし、周りを見渡すと、何人かが同じようにサウナハットを被っていた。
そして、効果に驚いた。頭が保護されている感覚。熱さが、直接頭に来ない。いつもなら8分で限界だったのに、12分快適に座っていられた。のぼせる感覚もない。
「これは、本物だ」。サウナハットの効果を、身をもって実感した瞬間だった。
実用からファッションへ
しかし、日本のサウナハット文化は、実用性だけでは終わらなかった。
サウナハット専門店に行くと、驚くほど多様なデザインがある。シンプルな羊毛フェルト。カラフルなリネン。動物の形(うさぎ、ねこ、くま)。食べ物の形(おにぎり、たこ焼き)。富士山。相撲力士。アニメキャラクター。
「サウナハットは、もはやファッションだ」。そう悟った。
SNSを見ると、サウナハットの写真が溢れている。「今日のサウナハット」「新しいサウナハット買った」。ハッシュタグ #サウナハット は、何万もの投稿がある。
日本人は、実用品をファッションアイテムに昇華させる天才だ。サウナハットも、その一例となった。
多様性が示すもの
サウナハットの多様性は、日本のサウナ文化の成熟を示している。
最初は、「効果がある」という実用性が評価された。しかし、それだけでは終わらなかった。人々は、自分の個性を表現するツールとして、サウナハットを使い始めた。
シンプルなフェルトを選ぶ人。カラフルなデザインを選ぶ人。ユニークな形を選ぶ人。それぞれが、自分のスタイルを持っている。
サウナ室で、様々なサウナハットを被った人々を見ると、微笑ましく感じる。みんな、サウナを楽しんでいる。そして、自分なりの方法で、サウナ文化に参加している。
サウナハットは、日本のサウナ文化の多様性と創造性を象徴するアイテムなのだ。
日本でサウナを体験するなら、ぜひサウナハットを試してほしい。実用性を求めるなら羊毛フェルト、楽しさを求めるならユニークなデザイン。あなたに合ったサウナハットを見つけることで、サウナ体験がさらに豊かになるはずだ。
