温泉街の風景
岐阜県
恵みの湯
2025/9/19-21 京都・岐阜サウナ旅
Vol.3

恵みの湯の体験談

日本一のハーブサウナと地下水かけ流し水風呂

📅2025/9/2018:00
🔥 サウナ室 90
❄️ 水風呂 18
小生は、これまで数々のサウナ施設を訪問してきた。その中で、「絶対にまた来たい!」と思える施設には、そこでしか味わえない素晴らしい特徴がある。岐阜県各務原市の「恵みの湯」にも "日本一のハーブ" という強烈な持ち味があり、実際に訪問した後は、本気で岐阜県への移住を検討したほどだった。各務原市に住み、以下の夢のようなローテーションで1週間のサウナ活動を組み立てれば、死ぬまでこの街にいることができるだろう。 月: 大垣サウナ 火: 恵みの湯 水: 大垣サウナ 木: 恵みの湯 金: 大垣サウナ 土: 恵みの湯 日: 恵みの湯 この日、午前中に京都の「白山湯 六条店」で地下水掛け流しの水風呂を堪能した後、2時間かけて岐阜県までやってきた。大津→草津→米原と滋賀県を縦断して岐阜県に入り、そこから養老→大垣→各務原と岐阜県を横断した。16時ごろに到着したので、先にホテルのチェックインを済ませた。テレビをつけると中日ドラゴンズの試合が放送されている。岡田投手と祖父江投手の引退試合のようだ。高橋宏斗投手が気迫溢れるピッチングで2人の引退試合に花を添えようとしている。試合を見たい気持ちもあったが、小生には行かなければならない場所がある。「恵みの湯」が小生を待っているのだ。 車を15分ほど運転して「恵みの湯」についた。サウナ雑誌でも見たことがある外観が目に飛び込んでくる。入り口から中に入ると、お店全体にハーブの香りが漂っている。この時点で、嗅覚を支配された。 恵みの湯は、温泉施設でありながら自社でハーブ園を持っている。そこで30種類以上のハーブを栽培し、季節ごとにブレンドしたものを浴場で提供している。施設には研究所も併設されており、どのハーブの組み合わせが人体に深いリラックス効果を与えるかを、医者を呼んでテストしているそうだ。そうした企業努力により導き出された最高のハーブを我々が堪能できるようになっている。さらに、ハーブを楽しめるのは大浴場だけではない。館内のレストランでもハーブを使った料理が提供されているし、バーブを使った入浴剤や調味料など、オリジナル商品を購入することもできる。全国のスーパー銭湯を探しても、自社栽培のハーブを提供しているお店はないだろう。ハーブに関しては、間違いなく日本一の施設である。 興奮を必死に抑えながら大浴場に向かった。広い脱衣所にもハーブの香りが漂っている。浴場に入ると、開放的な空間が広がる。まず目に飛び込んでくるのは、地下水掛け流しの水風呂である。そう、ここも地下水掛け流しだ。それに、「恵みの湯」は水質も一味違う。ブレンドなのだ。伊吹山の伏流水と地下水をブレンドした贅沢な掛け流しである。水質検査の成分表が掲示されていたが、市販の飲料水よりもはるかに豊富なミネラルが含まれている。さらに浴槽は広く、水風呂待ちが発生することもない。潜ってもOKと書かれている。これも凄い。豊富な地下水掛け流しで水は常にオーバーフローしているため、新鮮な水が次々に注ぎ込まれているから実現できることだ。なんだこの施設は。薬草バーブ以外の分野でも日本トップレベルではないか。もはや、興奮を抑えることは不可能だった。まだ入浴していないというのに。 身を清めるためにシャワーブースに腰掛ける。よく見ると、シャンプーやボディソープも自社のオリジナルのようだ。手にとって匂ってみるとハーブのいい香りが漂う。全身を綺麗に洗浄し、いよいよお風呂を楽しむ時がやってきた。いきなりサウナに行くことにした。なんといっても「恵みの湯」の持ち味は「生ハーブロウリュサウナ」である。自社の農園で採れた生ハーブをロウリュで楽しむことができるのだ。サウナ室に入った刹那、ハーブの香りに包まれる。さらに運がいいことに、1分後に自動ロウリュが開始された。大量の水がサウナストーンに浴びせられ、その蒸気を経由してハーブの香りが室内全体に広がる。なんだこのサウナは。ロウリュ中だが、鼻からいっぱいに息を吸い込み香りを楽しむことができる。 サウナ室自体も素晴らしい。40人くらい入れそうな広さのサウナ室はテレビはあるが音が出ていない。サウナ室で会話をしている人もいない。さらにサウナ室の湿度を管理するために、スチーマーのような設備が用意されている。空気が乾燥しないように配慮されているのだ。さらに、サウナの壁も素晴らしかった。通常のサウナは座面と壁の角度が90°であることが多い。しかし、「恵みの湯」のサウナは壁面の角度が斜めになっており、深くもたれることができる。ここの施設を設計した人、マジで凄いなと感動しながらサウナを楽しんだ。 サウナの後は汗を流し、地下水掛け流しの水風呂に頭から潜る。最高に気持ちいい。水温は18℃くらいだろうか。天然水の水風呂は、毎回小生に感動を与えてくれる。なぜ、こんなにもまろやかなのだろうか。永遠に入っていられる。3分くらい入っていたように思う。水風呂が広く(10人以上は同時に入れる)、待ちが発生しないので、いつまでもゆっくり浸かることができるのだ。 身体の芯から冷やした後は、露天エリアで外気浴だ。完全に意識を失うレベルで気持ちいい。サウナと水風呂の気持ちよさに加えて、ハーブの香りで嗅覚を癒されていることも要因として大きい。しばらく別世界に行っていたが、かろうじて意識が戻ってきた。すると、ほんのりと「よもぎ」の香りがするではないか。匂いのする方に行ってみると、そこには寝湯エリアがあり、天然のよもぎとハーブをブレンドした湯船を楽しむことができるようだ。空いているスペースに横になる。刹那、よもぎの香りに支配され、全身の力が抜けていいく。寝湯というのは、横になりながらお湯に浸かれる浴槽のことだが、これまでの人生で経験した寝湯の中でダントツ一位の気持ちよさである。絶妙な温度、照明が暗く静かな空間、水が流れ落ちる音、よもぎとハーブの香り、湯船に浸かりながら意識が飛びそうになった。もちろん、湯船で意識が飛ぶなんて初めての経験である。これが極上のリラックスというやつなのか。そろそろ2セット目のサウナに行きたいが、寝湯から出ることができない。身を起こすこともできないのだ。 かろうじて立ち上がり、あまりの気持ちよさに近くの椅子に腰掛けた。寝湯で蒸された体に秋風が当たり、また整いの瞬間が訪れる。「恵みの湯」では、独自のセットを構築できると気付いた。生ハーブのサウナ→水風呂→外気浴で整い、よもぎの寝湯→外気浴でまた整う。これを1セットにしてあと3セットくらい楽しもうと思った。 結局、合計4セットを楽しんだ。時間にして約2時間。こんなにもリラックスして長い時間お風呂を楽しんだのは初めてかもしれない。最高の気分で大浴場を出た。 とてつもなくお腹が空いている。事前に調べた限りでは、「恵みの湯」は館内のレストランも評価が高く、自家栽培のバーブを贅沢に使った料理がいくつもある。バーブのお風呂を楽しんだあとは、食事でもバーブを堪能しようということで、レストランに向かった。
施設内の食事処 ハーブ唐揚げ定食と絶品生ハーブティ
施設内の食事処 ハーブ唐揚げ定食と絶品生ハーブティ
カレーか唐揚げ定食で迷ったが、唐揚げ定食に決めた。唐揚げには5種類のハーブが使われており、それぞれ味も香りも異なっていた。非常に美味しく、サウナ後のエネルギーチャージに最適だった。食後のデザートに「生ハーブティ」を注文したが、このハーブティは絶品すぎて言葉を失った。提供までの過程も素晴らしい。オーダーを受けてから自社農園にハーブを摘みに行き、その日提供できるベストなバーブをチョイスしてくれる。飲む前に香りを楽しもうと思ったが、こんなにもいい香りのハーブティを小生はこれまで飲んだことがなかった。香りを楽しむだけでも十分に元がとれるレベルだ。飲んでみると香りと同じく味も素晴らしく、全身の細胞にバーブエキスが染み渡る感覚だ。さらに、ハーブは血行促進にも効果があるため、飲んでいくうちにどんどん体が温まっていく。まるで温泉に入っているように血流が良くなっていくのが実感できた。これも初めての感覚である。 心から感動した施設では何かしらのアイテムを購入するという「マイルール」に従い、「恵みの湯」オリジナルのストラップとバーブ塩を購入した。そして、「恵みの湯」を後にして21時過ぎにホテルに戻った。 ホテルで読書をしていると、バーブのリラックス効果なのかわからないが、浮遊感と同時に眠気が襲ってくる。本をベッドサイドに置き部屋の電気を消した。同時に意識を失った。 明日は「京都・岐阜サウナ旅」の最終日である。行き先はもう決まっている。これで2度目の訪問だ。各務原市から車で30分のところに目的地はある。聖地とも呼ばれるその施設の名は「大垣サウナ」だ。 つづく。