
Vol.2
佐賀県
2026/4/18-20 福岡・佐賀サウナ旅 v2
「御船山楽園ホテル らかんの湯」の体験談
サウナ好きが辿り着く最果ての楽園
📅2026/4/1917:00
武雄神社や祐徳稲荷神社など、佐賀県の名所を巡る観光は素晴らしいものだった。歴史と自然に触れ、家族で歩いた時間はかけがえのない思い出になるだろう。しかし、小生の心はすでに別の次元へと向かっていた。あとは「御船山楽園ホテル」にチェックインをし、伝説とも呼ばれる「らかんの湯」を徹底的に堪能して、心身を整えるだけだ。
武雄温泉駅からタクシーに乗り込み、ホテルへと向かう。歴史のあるホテルであるため、外観は決して新しいものではない。しかし、入り口の扉を開けた刹那、異世界が出迎えてくれた。真っ暗な空間に無数のランプが輝き、壁面の鏡がその光を無限に増幅している。チームラボのアート空間だ。暗闇の中、スタッフが懐中電灯で書類を照らしながらチェックインの手続きを進めるという、これまでに経験したことのない手法に胸が高鳴る。とにかく、ランプの森が美しい。
案内されたのは、露天風呂付きの客室だった。岩造りの風呂には、武雄温泉が永遠に掛け流しになっている。せっかくなので、まずは足湯を楽しむことにした。足を入れただけで、みるみるうちに身体が温まっていく。これが名湯の力か。とろりとした弱アルカリ単純泉のおかげで、肌もスベスベになっていく。観光で歩き回った疲れが、湯に溶け出していくようだった。
時刻は16時。まだ時間に余裕があるため、名所である「御船山楽園」を散歩することにした。これもまた幸運だったが、ちょうど20万本のつつじが満開を迎えていたのだ。まさに「楽園」と呼ぶにふさわしい、息を呑むほど美しい景色が広がっている。一年のうちで今の時期が最も美しいのだという。家族全員でその絶景を目に焼き付け、ホテルへと戻る。
いよいよ、「らかんの湯」に向かう時が来た。
深呼吸をして大浴場に入り、まずは全体の配置を確認する。小生のマイルールだ。内湯には武雄温泉を楽しめる広い浴槽と、セルフロウリュができるドライサウナがある。露天に出ると開放的な空間が広がり、すぐそこに円形の水風呂がある。武雄の森を見上げながら温泉を楽しめる浴槽、多くのチェアが並べられた外気浴スペース。スチームサウナや、焚き火を囲んで屋上外気浴が楽しめるエリア。さらに、サウナのセット間にドリンクや軽食を楽しめるラグジュアリーな休憩室があり、露天の奥には薪サウナまで鎮座している。
配置を確認しただけで、ここが単なるサウナ施設を超越した空間であることがわかる。森の中に温泉、サウナ、水風呂、外気浴スペースがあるだけでも満足感が高いのに、あの休憩室まで併設されているのだ。いつまでもこの体験を楽しめるだろうと想像し、ニヤケが止まらなくなってしまった。
身を清め、まずは露天の温泉にゆっくりと浸かる。森を見上げ、新鮮な空気をいっぱいに吸い込み、自然の音に耳を澄ませる。利用客は一定数いるが、皆この空間での体験に100%集中しているようで、話し声など一切聞こえない。武雄温泉の柔らかいお湯が身体を包み込む中、最初のサウナをどれにするか熟考した。小生はドライサウナが好きなので、薪サウナか、セルフロウリュサウナか。結果、内湯のセルフロウリュサウナから始めることにした。
扉を開けると、室内は全体像が見えないくらい暗く、中央にikiストーブが鎮座している。そして、ほうじ茶のいい香りが漂い、少しスモーキーな香りも混じっている。小生にとってドストライクな空間だ。しばらく座っていると目が慣れてきて、サウナ室全体が見渡せるようになった。同時にいい汗が出てきたので、自家製のほうじ茶ロウリュを行う。ジュワーッという音と共に、芳醇な香りがサウナ室全体に広がり、気持ちいい蒸気が身体を包み込む。限界を迎えたところで露天へ移動し、武雄温泉の源泉を冷却した水風呂に入る。深さがあり、浮き具のようなもので身体を浮かべることもできる。武雄温泉特有のまろやかで柔らかい水質がたまらない。本当に気持ちのいい水風呂だ。全身を冷却した後、露天風呂の中心にある岩の上に寝転がり、武雄の空と森を見上げる。次第に意識が遠のいていくような感覚に襲われ、身体に再びスイッチが入るまで、岩の上に寝転がっていた。
2セット目は、いよいよ薪サウナに向かう。サウナ室の造形美もさることながら、桁違いに巨大な薪ストーブに圧倒された。これほど大きなストーブは見たことがない。その上に数えきれないほどのサウナストーンが積まれ、豪快なロウリュが可能になっている。サウナ室は静寂に包まれており、皆がこの体験に酔いしれている。サウナ室を出る際、自分が座っていた座席周辺をタオルで拭き取る客の姿を見て、さすが聖地に集うサウナー達だと感心した。マナーの良い客が集まる空間は、それだけで価値がある。薪サウナで柔らかな熱を浴び、何度もロウリュをして、再び武雄温泉の水風呂へ。そして、森を眺めながらの外気浴で完全に意識を失った。
ここで一旦、ラウンジ(喫茶休憩室)に移動することにする。いつもならそのまま3セット目に突入するが、ここでは特別な体験が用意されているのだ。高級感のある休憩室には焚き火を囲めるスペースがあり、デトックスウォーターや軽食が用意されている。「かんころ餅」というさつまいものおやつを自分で焚き火で炙って食べる。さらに、塩をまぶしていただくプリンまである。サウナで消費した身体に、塩分と糖分がダイレクトに充填されていくのがわかる。サウナのセット間に焚き火でおやつを炙って食べるなど、なんと贅沢な時間だろうか。置かれているチェアも見たことのない素材で作られており、何もかもが唯一無二だ。
20分ほど休憩を楽しみ、3セット目へ。次は薬草スチームサウナだ。扉を開けた刹那、猛烈なスチームが身体を包み込んだ。室内は非常に広く、暗い空間の座席下から蒸気が黙々と吹き出している。室温は50℃程度らしいが、体感は80℃くらいに感じる。自然由来の薬草の香りが非常に心地よく、深く癒やされる。身体を蒸した後は、階段を下って半地下の空間にある地下水風呂へ。ここは温泉水ではなく、武雄の地下水を使用している。温泉水とは異なるキレのある冷たさで、スカッとする爽快感に包まれた。
水風呂を出て階段を登り、屋上の外気浴スペースへ。焚き火を囲む空間が広がっており、多くの人がそこで意識を失っていた。焚き火の炎、燃える音、煙の香り。気持ちよさのオールスターがここには揃っている。

20万本の🌺が咲いた御船山楽園

美しいホテルロビー

風情のある客室露天風呂

廃墟エリアのプロジェクションマッピング
「いつまでもサウナに入っていたい。この空間を離れたくない」
駄々をこねる子供のような気持ちになりながらも、景色、音、空間を脳に焼き付け、いよいよラストの4セット目に向かう。最後はやはり、薪サウナだ。こんなに美しく巨大な薪ストーブを見ながらサウナに入ることは、今後の人生でもそう多くはないだろう。柔らかい熱を感じながら、じっくりと身体を温める。目の前の同志がロウリュをしてくれ、柔らかな熱が蒸気を乗せて広がり、小生の身体に降り注ぐ。
「よし、これで十分だ」
身体の声を聞き、サウナ室を後にした。最後の締めくくりとして武雄温泉の柔らかな水風呂に沈み、この日の極上サウナ体験を終了した。
部屋に戻ると、家族全員が大きな感動に包まれていた。サウナ談義に花を咲かせながら、ホテルが提供する絶品の夕食をいただく。美味しい食事と極上のサウナ。これ以上の幸せがどこにあるだろうか。
明日の朝は、男女が入れ替わったもう一つのエリアを堪能することができる。男湯とは全く異なる、キューゲル(アロマ氷)を使った白亜のサウナの世界が待ち受けているのだ。起きた瞬間にサウナに行こう。そう心に誓い、小生は眠りについた。

