
Vol.1
岡山県
2025/10/25-26 岡山サウナ旅
「sauna kolme kylä (サウナ コルメ キュラ)」を訪問
こだわり抜いた異世界サウナ
📅2025/10/2511:00
サウナに通っていると「自分だけのプライベートサウナを持ちたい」と感じることがある。自宅のベランダにバレルサウナを置き、井戸を堀り地下水の水風呂を作り、その横にリクライニングのためのチェアを置き、朝も夜もサウナに入る。そんな夢のような暮らしを妄想するのだ。しかし、作ったのが最後。結局人間は飽きる動物であり、自宅のサウナは物置同然と化し、結局お金を払ってサウナ施設にいくことになるのだ。
プライベートでサウナを楽しみたいなら、自分でサウナを作る必要はない。日本には、少人数で楽しめる予約制のプライベートサウナがたくさんある。銭湯よりも多くの料金がかかるが、上質な時間と空間を堪能できることで人気だ。小生は、広い大浴場で温泉やサウナを楽しむことが多いが、プライベートな空間でサウナを楽しみたいと思うことも増え、こうしてプライベートサウナに挑戦することにしたのだ。
「sauna kolme kylä (サウナ コルメ キュラ)」は、岡山県岡山市にあるサウナ施設である。到着早々笑ってしまった。駐車場の看板に「駐サ場」と書かれており、駐車場にサウナを掛けているのである。オーナーのサウナ好きの度合いが伺える。おしゃれな外観から中に入ると、アロマのいい香りと共に開放的な空間が小生を出迎えてくれる。とにかく清潔感に溢れており、非常に好印象だ。
受付で利用上の注意などの説明を受け、「水着はお持ちですか?」と質問される。「いえ、持っていません」と回答する。すると、「当館は、水着着用必須の施設となっておりますので、レンタルする必要があります。」と案内された。全裸でサウナに入るのが当たり前の小生にとっては、珍しい経験だ。水着を着用してサウナに入るというのも、プライベートサウナではよくあることだ。
2階のロッカールームにいき、まずシャワーを浴びるように案内された。銭湯の大浴場では、シャワーも温泉もサウナも同じ空間にあるが、ここは違うようだ。まずは、2階のロッカーで身を清め→そこから水着を着用し→1階まで降りてサウナ開始、という流れのようだ。銭湯とは異なる上品な導線に若干戸惑ったが、ようやくサウナを開始できそうだ。
「sauna kolme kylä」には、2種類のサウナがある。「木小屋」を意味する「mökki」と、波状のベンチ形状が特徴のメインサウナ「moimoi」である。
1セット目は、「mökki」に入ることにした。「mökki」は、木小屋をテーマにしており、狭い小屋の中には4人ほどが腰掛けられるスペースがあり、ほぼ真っ暗だ。室内を照らす唯一のあかりは、ストーブの炎だ。炎の揺らめきを眺めながら、そして木材が燃える音を感じながら、自分の内側と会話することができる。プライベートサウナなので、貸切状態だ。小生以外、この空間には誰もいない。ベンチに寝転がって目を閉じ、ストーブの音と鼓動に集中した。
まだ1セット目であったが、プライベートサウナの素晴らしさを実感した。自分だけの空間でサウナを楽しむことができる。銭湯の大浴場であれば、基本的には多くの人がいて、サウナ室で大声で会話をする人もいる。混雑していれば、サウナや水風呂に入るのを我慢しなければならないこともある。プライベートサウナでは、この問題とは無縁だ。人数の上限が決まっているので、常に快適に利用することができる。高いお金を払う価値はあるだろう。
1セット目から深い瞑想状態に陥り、その後16℃の水風呂に入った。お待ちかねの外気浴の時間である。浴場の2階部分が外気浴スペースになっていたので移動し、リクライニング用のチェアに倒れ込んだ。ここでもプライベートサウナの素晴らしさを実感した。人が少ないので当然チェアに座ることができ、スペースにも余裕がある。快適な空間で外気浴を楽しむことができた。銭湯の場合は、先客がいればチェアに座ることはできないし、賑やかに会話をしている人もいるので気が散ることがある。リラックスできるかは「運」に左右されるのが銭湯だが、プライベートサウナでは「確実に」リラックスできる。

清潔感のあるロッカールーム

浴室の中心に鎮座する巨大な木

サウナ後の身体に染みる「ロウリュバーブTea」。ロウリュするようにお酢をTeaに加えると紫色に変色する。

サウナ後の最高の栄養「スパイスカレー」
2セット目は、メインサウナの「moimoi」に入った。このサウナは、2台のHarvia製ストーブを備えており、1台はオートロウリュ対応、もう1台ではセルフロウリュを楽しむことができる。サウナ室内のデザインも素晴らしく、波のようなカーブを描くベンチが特徴的だ。明るい色の木を統一して使用しており、窓から日が差し込み室内も明るい。木小屋をテーマにした「mökki」との雰囲気の対比も見事なものだ。明るい雰囲気、素敵なデザインに、サウナ室に入った瞬間から心が癒された。
4段になっているベンチの最上段に腰掛けた。柔らかなデザインとは対照的に、上段はしっかり熱い。ロウリュ + 90℃の温度設定で一気に汗が吹き出してくる。しばらく汗を流していると、相席だった別のお客さんがセルフロウリュをしてくれた。一気に湿度が上がり、滝のように汗が流れてくる。限界まで体を熱し、水風呂に入った。
2セット目の水風呂の後は、内気浴スペースに移動した。外気浴とは違い、空調で室温を調整しており、室内の雰囲気は暗い。サウナ後のクールダウンを静かな空間で感じることができる。とても快適だ。「sauna kolme kylä」は、デザインが本当に素晴らしく、施設内の全ての場所にこだわりを感じる。アートの中でサウナ浴を楽しんでいる気分だ。
3セット目は「mökki」に戻り、一人きりの小屋サウナで横になり、呼吸と身体の反応に全神経を集中させた。小屋の雰囲気も手助けし、サウナを出る頃には別世界に行っていたような錯覚に陥った。水風呂で体を冷やしていると、「アウフグースイベントを行いますので、興味のある方はご参加ください」と案内された。プライベートサウナでアウフグースまでやってくれるとは、なんと親切なのだろう。これまでの施設全体のデザインや、サウナの質の高さから、アウフグースでも素敵な体験ができそうだと期待した。その予感は的中する。
アウフグースは、メインサウナの「moimoi」で行われた。熱さに優しい2段目に腰掛けた。熱波師の女性が自己紹介を済ませて、ロウリュの説明をしてくれる。ここで、人生初の体験をすることになる。この日のアウフグースでは、「コーヒーロウリュ」を経験できたのだ。エチオピア産コーヒー豆をサウナストーブの上に置き、発生した蒸気がコーヒー豆を経由して、芳醇な香りがサウナ室に漂う。まるで喫茶店でサウナ浴をしているような気分だ。サウナ室で汗を流しながら、コーヒーの香りを楽しめるとは思っていなかった。コーヒーロウリュの次は、緑茶とミントのブレンド→ほうじ茶の順でロウリュが行われた。優しい熱波と豊な香りに包まれて、最高にいい気分で汗をかくことができた。
これで合計4セット、素晴らしいサウナを堪能することができた。プライベートサウナがここまで快適なものだとは、利用する前は想像もしていなかった。特に「sauna kolme kylä」は、これまで述べた通り施設全体のデザインに優れており、店の入り口からラウンジスペース、ロッカー、サウナ室、水風呂、外気浴スペース全てにおいて手抜きが一切ない。どの角度から見ても「ああ、素敵だな」と感じる景色が広がっていた。もし小生が岡山市に住んでいたら、1週間に1度は「sauna kolme kylä」を訪問し、プライベートな空間で室の高いサウナを楽しむだろう。そんなことを考えながら、次の目的地に行くために車に乗り込んだ。
⚡サウナ・水風呂の情報
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moimoi
90°C
ドライサウナ
対流式ストーブ(サウナストーン)
17人
波状のベンチ形状が特徴のメインサウナ。2台のストーブを備え、1台はオートロウリュ対応、もう1台ではセルフロウリュ可能な仕様。オリジナルアロマを使用して香りと熱を同時に楽しめる空間。また、アウフグースイベントでは、エチオピア産コーヒー豆、緑茶とミントのブレンド、ほうじ茶の香りを楽しむことができる。特に、コーヒー豆ロウリュは全国的にもかなり珍しい。
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mökki
80°C
ドライサウナ
対流式ストーブ(サウナストーン)
5人
「木小屋」を意味する名称のサウナ。木質ペレットストーブが設置され、炎の揺らめきを眺めながら少人数で落ち着いて熱を浴びる設計。日替わりアロマやキューゲル(凍らせたアロマ氷)によるセルフロウリュが可能。
❄️
meri
16°C
水道水
屋内に設けられた大型水風呂。「海」を意味する“meri”の名そのままに、海底から水面を見上げるような演出を施した白・青基調のデザイン。水中スピーカーによる音響演出もあり、没入感の高い空間。
❄️
pieni
8°C
水道水
屋外に設置された1人用の小型水風呂。水温は8℃。
基本情報
施設名
sauna kolme kylä (サウナ コルメ キュラ)
施設タイプ
温泉・スパ
住所
岡山県岡山市南区豊成1丁目182番3
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定休日
木曜日
営業時間
11:00〜22:00
レディースDAY、男女ペアDAYあり(詳しくは、公式サイトの営業カレンダーをチェック)
利用条件
📅
予約制(事前予約が必要)

