温泉街の風景
有馬街道温泉 すずらんの湯(2回目)
兵庫県
2025/8/29-31 神戸・大阪サウナ旅

有馬街道温泉 すずらんの湯(2回目)に行ってきた

🔥 サウナ室 85
❄️ 水風呂 17
気がつけば、入り口の目の前にいた。 人間という動物は、極上の快感を味わった時、その対象に依存してしまう。「今回で最後にしよう」と思っていても、味わってしまったが最後、また同じことを繰り返していまうのだ。ギャンブルや麻薬などは、その典型である。しかし、サウナや温泉に関しても同じような依存性がある。一度極上の整いを経験したら、そのことばかり考えてしまう。小生は、平日はシステムエンジニアの仕事をしているが、サウナと水風呂に入ることばかり考えている。そして気がつけば、温泉施設の目の前にいる。『有馬街道温泉 すずらんの湯』も、そんな依存性のある施設の一つだ。 前回の訪問時、温泉・サウナ・水風呂の質の高さ、さらに森の中に庭園を作り、自然と一体化できる世界観に驚いた。室内に植物や木をおいて自然を「演出」している施設はよくあるが、ここでは本物の自然を全裸で感じることができる。風を感じ、虫の鳴き声や掛け流しの水の音に耳を澄ませ、土や木の匂いをゆっくりと嗅ぐ。目を閉じ、五感を研ぎ澄ます。すると、日常生活で蓄積された疲労や雑念が一つづつ消えていく。そんな感覚を味わえる場所なのだ。 前回の快感を想像して思わずニヤけてしまいそうになるが、立ち振る舞いは常にクールかつ紳士的でなければならない。いかなる時も、隙を見せてはダメなのだ。隙を見せていいのは、全裸になって温泉に入る時だけだ。済ました顔で受付を済ませ、大浴場に入る。まずは、名水「宮水」で身を清める。シャワーすらも天然水である。シャワーヘッドから出る水が優しい。柔らかい。身を清めているだけなのに、幸福感に包まれる。体を洗い、まずは内湯の源泉掛け流しに入る。有馬系の温泉は、なぜこんなに気持ちいいのだろうか。お湯に浸かった刹那、全身の力が抜け、浮遊感を感じる。その気持ちよさに、ニヤけ顔になる。後から入ってきた40歳くらいの人が温泉に浸かってしばらくすると、「はぁ、最高や!」と独り言を言っている。小生も同じ気持ちだ。声にしたくなるほど、最高なのだ。 身体が温まってきたので、露天エリアにあるフィンランドサウナに向かう。サウナの入り口にヴィヒタがある。軽く身体を叩き、香りを味わい、サウナに入る。サウナは、セルフロウリュが可能で湿度が高くいい汗がかける。そして、サウナを出たところには、名水「宮水」と源泉をブレンドした極上の水風呂が待ち構えている。かなり広いので、待つこともない。汗を流して、名水にINする。なんという柔らかさか。身体を包み込んでくれるような感覚。水道水の水風呂では間違いなく味わえない。水温も17℃で、ちょどリラックスして浸かれる温度だ。いつまでも浸かっていられる。そんな水風呂は、本当に珍しい。さらに源泉とブレンドしているので、ただ身体を冷やすだけでなく、温泉成分も肌から吸収されてくる。名水のミネラルと源泉というダブルパンチ、恐るべし。 しかし、ここで終わりではない。これから、自然と一体化できる最高の外気浴がはじまる。露天の水風呂を出てすぐの場所にリクライニングチェアが数台置いてある。運よく座ることができた。横になり、静かに目を閉じる。夕暮れ時ということもあり、鈴虫の鳴き声がよく聞こえてくる。六甲からの風が肌にあたり、嗅覚に意識を集中させると森の香りが漂う。木や土の香りを思いっきり吸い込む。10分ほど、リクライニングチェアで整っていた。 1セット目からあまりにも満足感が強く、この日は2セットで終了した。小生は、サウナに入るとき、決まったルールはない。基本的に3セットを目安にしているが、2セットの時もあれば、5セットの時もある。その時の身体の状態や気分に逆らわないようにしている。さあ、極上の整いのあとは美味しい食事をいただこう。
小生が大好きな定食屋「青葉園」の生姜焼き定食
小生が大好きな定食屋「青葉園」の生姜焼き定食
行く店はすでに決まっている。 「有馬街道温泉 すずらんの湯」から車を数分ほど走らせ、箕谷JCTの近くまで行く。すると、店の看板が見えてきた。今日も「青葉園」という定食屋で食事をする。店に入ると、何やら賑やかだ。常連の人たちがお酒を飲みながら、阪神タイガースの生中継を観戦している。その向かいのテーブルに腰を下ろし、生姜焼き定食を注文した。個人的に、この店が好きだ。前回初めてお店に入った時、店主が快く迎え入れてくれ、料理もとてもおいしかった。常連客が多いのも頷ける。料理も雰囲気も「また来たい」と思える店なのだ。 しばらくすると、生姜焼き定食が運ばれてきた。極上の温泉・サウナ & 美味しい食事。これは、麻薬に匹敵する組み合わせだと思っている。一口目を食べた刹那、全身に鳥肌が立つのを感じる。それほどおいしいのだ。毎度のことながら「ありがとう」という気持ちになれる。 サウナと水風呂に入るとその時はもちろん気持ちいいが、その後も幸福感が持続する。サウナに入れること、美味しい食事を食べられること、素敵な店に出会えたこと、その全てに感謝した。定食を食べ終えて、お会計を済ませる。「おいしかったです。また来ます」という言葉を残して店を出る。前回も、同じ言葉を口にした。お店の方が小生を覚えてくれるまで、あと何度か通う必要はありそうだが、またすぐに訪れる時は来るだろう。そんなことを思いながら、自宅のある四国に向かって車を走らせた。今回のサウナ旅はこれで終了だ。