
Vol.7
長野県
2026/3/19-22 静岡・山梨・長野サウナ旅
「信州健康ランド」の体験談
4つのサウナと北アルプスの天然水で過ごす夜
📅2026/3/2119:00
サウナ施設に泊まる。これほど贅沢な過ごし方があるだろうか。
夜はサウナに入り、美味い飯を食い、ぐっすり眠る。朝は目覚めたらすぐにサウナに入る。移動の手間もない。起きたらそこがサウナなのだ。この贅沢を味わうために、今夜は「信州健康ランド」に泊まる。
午前中は茅野市の白樺リゾート池の平ホテルで、白樺湖の絶景に魅了されすぎて6セットもやってしまった。その余韻を引きずったまま、茅野駅からJRで塩尻駅を目指す。
ところが、人身事故で大幅にダイヤが乱れていた。
16時に茅野駅に着いたが、14時発車予定の電車がまだ来ていないという。駅員に「塩尻駅まで行きたいんですが」と問い合わせると、「もうすぐ14時発車予定の電車が来ますんで、それに乗ってください!」と返ってきた。人身事故が起きている状況で幸運という言葉を使っていいのかわからないが、小生にとっては素晴らしい巡り合わせだった。即座に切符を購入してホームに降りると、電車が滑り込んできた。飛び乗った。
塩尻駅に降り立つと、遠くに北アルプスの山並みが見えた。そして、目的地の信州健康ランドも見える。しばらく歩いて入り口に到着した。
大規模な施設だ。地元住民と観光客が入り混じり、館内に活気が渦巻いている。チェックインを済ませて客室に入った。簡易的な部屋で、ビジネスホテルに比べると質は落ちる。しかし、この建物の中に極上のサウナがあり、美味い飯が食え、リーズナブルな価格で泊まれるのだ。贅沢を言ってはいけない。しばらく部屋で休憩し、日が暮れた頃に大浴場へ向かった。
浴室に入った刹那、その規模に圧倒された。巨大で種類豊富な浴槽がずらりと並んでいる。そしてサウナが4つ。水風呂が2つ。サウナ好きにはたまらない布陣だ。
身を清め、まずは薬草風呂で体を温める。薬草の香りが鼻腔をくすぐり、じわじわと体温が上がっていく。準備は整った。
1セット目。迷わず「シンケンSAUNA」を選んだ。
扉を開けた刹那、好みの空間が広がっていた。テレビがない。温度計もない。BGMもない。間接照明だけが灯るダークモダンな空間。余計な情報が一切排除されている。ここは、自分と向き合うためだけに設計された部屋だ。セルフロウリュが可能で、湿度が非常に高い。温度表示がないので正確にはわからないが、体感では90℃近くあるのではないか。湿度のおかげで汗がどんどん噴き出してくる。
そして何の幸運か、貸切だった。小生一人だ。
「最高!」
声が出た。誰もいないのをいいことに、もう一度。
「最高!」
声に出すとどんどん気分が乗ってくる。白樺湖でも叫んでいたが、ここでも止まらない。セルフロウリュでサウナストーンに水をかけ、蒸気を追加する。じっくりと身体を温めた。4つのサウナの中で、ここが最も素晴らしいと確信した。
水風呂へ。シンケンSAUNAを出てすぐの場所にある「アルプス冷泉」に身を沈めた。信楽焼の一人用水風呂に、北アルプスの天然地下水が掛け流されている。14℃。
身を沈めた刹那、ミント水に入ったような爽快感が全身を駆け巡った。
とてつもなく気持ちいい。昼に浸かった白樺湖畔の蓼科山伏流水とはまた違う、北アルプスの水の力だ。一人用なので周りを気にする必要もない。この贅沢な水風呂を独り占めしている。
露天スペースに移動して外気浴へ。チェアに身を預けて夜空を見上げた。三日月が輝いている。星もよく見える。夜風が肌を撫でていく。白樺湖の昼の絶景も最高だったが、信州の星空を見上げながらの外気浴もまた格別だ。最高の一日が、まだ続いている。
2セット目は「令和ストロング90」に入った。長野県産の檜を使った内装で、サウナストーブが2台設置されている。90℃。広くて開放的な空間だが、テレビがある。湿度はシンケンSAUNAに比べると低めで、少し渇き気味だ。汗が出るまで時間がかかったが、じっくりと体を温めた。
水風呂は「ナイアガラ」を選んだ。名前の通り、滝のように水が流れ落ちている巨大な水風呂だ。18℃。潜水を前提にした深さがある。迷わず頭まで沈めた。潜れる水風呂は本当にいい。全身が一瞬で冷却される。ただ、塩素臭がした。「アルプス冷泉」とは明らかに水質が違う。地下水掛け流しと案内されているが、この水風呂は実際には循環濾過だろう。それでも、この広さと深さで潜れる気持ちよさは相当なものだ。
再び星空を見上げながら外気浴に入った。三日月がさっきより少し位置を変えている。
3セット目。最終セット。やはりシンケンSAUNAに戻った。
1セット目の貸切とは一変して、満室だった。上段に腰掛けていると、誰かがセルフロウリュを始めた。サウナストーンにジュワーと水がかかり、蒸気がサウナ室を一気に包み込む。各所から「熱っ」と声が上がった。小生も思わず笑った。満室のセルフロウリュには、こういう一体感がある。見知らぬ人間たちが、同じ蒸気に包まれて同じ反応をしている。面白いではないか。
最後は「アルプス冷泉」で締めた。北アルプスの天然水が、今日一日の旅の疲れを静かに洗い流してくれた。

信州の名物を堪能できる定食(信州サーモン、馬刺し、信州そば、山賊焼き)
施設内の食事処で信州の名物定食をいただいた。全てが絶品だ。サウナ後の体に、信州の恵みが染みていく。大満足で部屋に戻り、そのまま倒れるように布団に入った。
と思ったのだが、隣の部屋がうるさい。
仕方なく耳栓を着用して眠りについた。健康ランドの宿泊とはそういうものだ。想定の範囲内である。
翌朝は、7時に目が覚めた。サウナ施設に泊まっているということは、起きた瞬間からサウナに入れるということだ。この贅沢を見逃す手はない。
朝サウナは1セットと決めている。体にスイッチを入れるためのものだ。今日はこの旅の最終日だが、とある施設を訪問する予定がある。朝から体力を使いすぎるわけにはいかない。
シンケンSAUNAに入り、じっくりと身体を目覚めさせた。朝のサウナ室は静かだ。夜の賑わいが嘘のように、穏やかな時間が流れている。セルフロウリュで蒸気を一発入れ、アルプス冷泉に身を沈めた。朝一番の北アルプスの天然水が、全身の細胞を起こしていく。1セットで十分に整った。
朝食を済ませ、チェックアウトした。さて、最終日が始まる。今日の本命は松本市にある「林檎の湯屋 おぶ~」だ。北アルプスの伏流水をナノ化した水風呂が待っている。飲めるらしい。この旅の最終目的地にふさわしい施設だと見当をつけている。楽しみで仕方ない。

