
岐阜県
2025/9/4-7 サウナの聖地巡礼の旅
「大垣サウナ」に行ってきた
🔥 サウナ室 110℃
❄️ 水風呂 14℃
「もし明日死ぬなら、最後に行きたいサウナはどこですか?」
このような質問をされたら、小生は迷いなく「大垣サウナ」と答えるだろう。それくらい素晴らしい場所だった。
この日の午前中に、台風18号が近畿・東海地方を直撃した。小生は、神戸サウナに宿泊していたのだが、朝サウナと朝食を終えた時点で雨は止んでいた。「さて、大垣サウナに行こうか」と気合を入れ、新神戸駅に向かった。チケットを購入しようとしたとき、「東海道新幹線運転見合わせ」の文字が見える。台風が直撃し、愛知県で猛烈な雨が降っているとのこと。窓口のお姉さんに「岐阜県の大垣駅までいきたいのですが」と伝えてみた。すると、「通常は名古屋から在来線に乗り換えたほうがはやいのですが、今日は米原で降りて大垣行の在来線に乗り換えるのがいいと思います」と親切に教えてくれた。米原までであれば運休の影響を受けない。即座にそのルートでチケットを購入して新幹線に乗り込んだ。
順調に行けるかと思ったが、新大阪駅で足止めを食ってしまった。東海道新幹線は毎時多くの本数が運航している。特定区間の運転見合わせになると、前の電車から順番に待ち状態となり、そのしわ寄せは後続の列車にも及ぶ。今回のケースも、止まっている区間は愛知県豊橋あたりだったが、新大阪発の列車も大きく遅れることとなった。新幹線をキャンセルして在来線で米原まで行くという手もあるが、こういう時はバタバタしても仕方ない。どっしり構えて待つことが最善である。翌日以降のプランやサウナ施設などを調べていると、運転再開のアナウンスが入った。時間にして約一時間。いい情報収集の時間にすることができた。再び新幹線に乗り込み、米原までいく。米原で大垣行の在来線に乗り換え、30分後に大垣駅についた。
大垣サウナは、ドラマ「サ道」の舞台にもなっている。オープニングで原田泰造と三宅弘樹が大垣駅から市街地に向かって歩くシーンがあるのだが、全く同じことをやった。そしてタクシーに乗り込み、大垣サウナへ向かう。数分後、大垣サウナの建物がみえてきた。ドラマで見たのと同じ景色が、今小生の目の前に広がっている。入る前からテンションマックスだった。
受付に入ると、靴箱のカギではなく靴そのものを預けるというシステムになっており、ロッカーのカギをもらう。受付の方が、小生がタクシーで来たことを見ていたようで、「どちらからお越しくださいましたの?」と質問された。「徳島県から参りました」と答える。すると「まあ、遠いところからありがとうございます。思う存分ゆっくりしていってください」と温かい言葉をいただいた。入る前からすでに心をつかまれている。しかし、肝心なのはサウナと水風呂だ。奇跡の水風呂と言われている水はどのような肌触りなのだろうか。水風呂を出た後の爽快感はどれほどだろうか?まだ経験したことのない世界をイメージしながら服を脱ぎ、浴場へ向かった。
浴場に入ると、ドラマで見た通りのレイアウトでサウナ室と2つの浴槽がある。手前の浴槽が水風呂なのだが、地下水かけ流しである。常に水がオーバーフローしており、清潔感もある。受付に掲載されていた新聞記事によると、大垣サウナの水風呂の水は飲むこともできるそうだ。早く入りたい気持ちを抑え、まずは身を清める。そして、そのままサウナ室に向かった。入った瞬間「熱いなぁ」と感じた。温度計を見ると110℃である。ただ、ストーンタイプのサウナなので痛みは感じない。5分もしないうちに、一気に汗が噴き出してくる。我慢の限界がきたのでサウナ室を出る。シャワーで汗を流し、いよいよ水風呂だ。
水風呂に入った刹那、化粧水の中に入ったのかと錯覚した。それほどまろやかで柔らかい。まるで水風呂が1つの生き物であるかのように、小生の身体を包み込み癒してくれる。水温は14℃。普通の水道水なら、刺すような冷たさを感じて長居することは難しい。しかし、大垣サウナの水風呂には2分ほど入っていた。冷たい水につかっているのに極上のリラックス感があるのだ。浸かっている間に、かけ流しの水も飲んでみた。冷たくまろやかで、とてもおいしい。
水風呂を出て、浴場の隅に置いてある椅子に腰掛ける。本当に感動したのはここからだ。爽快感が半端ではない。全身の毛穴が雄たけびを上げている。ミント水にでも入っていたか?と思うほど、皮膚がスースーしている。さらに、かけ流しの水を飲んだことにより、身体の内側も同じように爽快感に満ちている。こんなに気持ちいいと感じる水風呂は初めてだ。身体の反応を感じながらゆっくりと目を閉じる。まだ1セット目なのに、5~10分ほど意識が飛んでいたように思う。感動の1セット目を終え、2セット、3セットと同じ流れを繰り返す。3セット終わった時には、合掌し、自らの幸福に感謝した。
サウナを出た後は、当然サウナ飯をいただく。
大垣サウナに来たからには、あのメニューを注文するしかない。



館内着に着替えて二階に上がると、レトロの空間が広がっていた。創業から約60年、多くの人たちに愛され続けた空間がそのまま残っている。食堂の雰囲気も抜群だ。壁際の席に腰掛け、「豚ロースの生姜焼き定食」を注文する。ドラマ「サ道」でも、サウナのあとは生姜焼き定食だった。食事が来たので、まずは赤だしをすする。サウナと水風呂で仕上がった身体に染みわたっていく。その後、厚切りの生姜焼きを思いっきり頬張る。なんて美味しいんだ。お米もおいしい。チラシに書いていたが、自家製のコシヒカリだそうだ。極上の水風呂で身体を癒されるだけでなく、胃袋までつかまれてしまった。大垣サウナの信者になった。
食事のあとはリクライニングルームで雑誌を読みながら、2時間ほど昼寝をした。かなり寝てしまっていた。これまでもサウナ施設で昼寝をすることはあったが、ここまで爆睡したことはない。それほどまでに、サウナと水風呂の威力が凄まじいということだろう。2時間も寝たので、体力は完全に回復していた。時刻は17時。気が付けば、サウナ室の中にいた。第二ラウンド開始である。
第二ラウンドもサウナと水風呂を3セット。すこし日が沈んできたこともあり、浴室内の雰囲気も昼間とはちがう。心なしか、水も冷たくなったように思う。熱々のサウナと極上の水風呂を3セット。バチバチに整った。間違いなく、これまでの人生で一番気持ちいい水風呂だ。
正直、まだ帰りたくなかったので夕食も大垣サウナで食べることにした。どれだけおんねんと。味噌カツと馬刺しユッケに舌鼓を打ち、デザートに生ハニージュースをいただいた。そして帰り際に、大垣サウナの記念Tシャツ、トレーナー、タオルを購入した。小生は、感動した施設では、何かしらのアイテムを買うようにしている。が、ここまでたくさんのアイテムを購入したのも初めてだ。それくらい、大垣サウナには感動したし、大垣サウナのファンになった。遠い場所なので次いつこれるか分からないが、必ず来たいと思う。少なくとも、死ぬまでにもう一度くるだろう。その決意を胸に、宿泊先のホテルに向かってタクシーに乗り込んだ。
明日の目的地は、聖地「サウナしきじ」だ。
つづく。