朝サウナというのは、実に気持ちいいものである。 昨夜、極上のサウナと馬肉料理を堪能し、気がつけば夢の中にいた。そして午前5時に現実世界に戻ってきた。約7時間、ぐっすり眠っていたようだ。この後は、朝6時からまたサウナを堪能できるということで、起きた瞬間からテンションMAXであった。 朝6時のOPENと同時に大浴場に移動する。昨夜同様、利用者は小生一人である。他の宿泊客はまだ寝ているのだろうか。服を脱ぎ、大浴場に入る。朝イチの新鮮な空気と湯気が混じり合い、神聖な雰囲気に包まれる。シャワーを浴び、まずは人工温泉にゆっくり浸かる。阿蘇の天然水を100%使用した人工温泉である。湯に使った刹那、思わず声が漏れる。「ああ〜気持ちええわ〜！最高！」と一人で声を発する。実際に声に出すと、ますます最高な気分になってくる。朝6時だというのに元気なものだ。 人工温泉で身体を温め、ウォーミングアップ完了だ。朝のサウナ室に入る。朝は、夜とはkな地方が違う。身体はまだ眠っているのか、身体のぬくもりの速度は夜より遅い。汗が出てくるのも遅い。眠っている細胞の一つ一つがゆっくりと目を覚まし、活動を開始しているのが伝わってくる。脈拍数が上がるにつれて、さあ今日も一日始まるぞという気分になる。汗をかいてきたところで、オリジナルアロマ水をサウナストーンにかける。ジュワーっという音が心地よい。朝の方が、音の感度が高いような気もする。上記発生と同時に、アロマの香りがサウナ中に広がる。本当にいい香りだ。そのまま近くの場所に座って目を閉じ、熱を感じる。 サウナを出た後は水風呂に入る。昨日もその存在に気づいてはいたが、水風呂の横に飲食店にあるような業務用の冷凍庫がある。その中に入っているのは大量の氷だ。自分が浸かる場所に氷を入れて、体感温度を下げる体験ができる。氷を頭の上に乗せるのも面白い。そして何より、地下水の柔らかい水質が気持ちいい。「湯屋水禅 Luxury Sauna & Spa」は、水のポテンシャル、ホスピタリティ、空間デザイン全てに癒される素晴らしい施設だ。 2セットで朝サウナを終え、ラウンジでデトックスウォーターや紅茶を堪能する。高級感のある和の空間がたまらない。そしてここには小生一人しかいない。朝からとてつもなく優雅な時間を過ごし、しばらくラウンジでの時間を楽しんだ。またしても、時間感覚を焼失しており、スマートフォンも室に置いて来ているので、今何時かもわからない。この熊本サウナ旅では、自分という存在が独立しているのではなく、自然や空間の一部である。いや、自然や空間と一体化するような新感覚を得ることができたり、時間感覚を喪失する術を手に入れることができたりと、人間としての感覚レベルが一段階上がったようにも思う。

朝食をいただきながら、今日関西に帰るまでに何をしようかと考える。昼過ぎに熊本駅を出発する予定なので、それまで午前中は時間がある。どこに行こうか。それを考えるまでもなく答えは決まっていた。「今日も『湯らっくす』に行こう」と。せっかく熊本まで来たのだ。西の聖地と呼ばれる場所にもう一度行けるなら、行きたい。2日連続で聖地を満喫できるなんて、最高じゃないか。 旅では、より多くの場所を訪問する「数」も大事だが、時には体験の密度を上げるために同じ場所を何度も訪問することも重要だと小生は考える。同じ場所に再びいくことで、最初の訪問では気づけなかった新しい発見もあるし、異なる感性が生まれることもあるからだ。 客室でしばらくゆっくりした後、ホテルをチェックアウトして熊本城に向かった。震災で失った天守閣も見事に再生しており、復興が進んでいるようだ。天守閣の一番上まで行き、阿蘇山や熊本市内を一望しながら景色にも癒された。観光も終わったところで、そろそろ「湯らっくす」に行こうではないか。