湯らっくす
Vol.2
熊本県
2025/12/26-28 熊本サウナ旅

湯らっくすを訪問

時間感覚を喪失するほどのサウナ体験

📅2025/12/2710:00
12月27日午前10時すぎに熊本駅に到着した。新大阪駅から約3時間。新幹線の車内では、終始ワクワクを隠すことができなかった。熊本に着けば、西の聖地「湯らっくす」にいよいよ訪問することができるからだ。そして、ついに到着した。 駅に着くと即座にタクシー乗り場に向かい行き先を告げる。 小生: 「「湯らっくす」までお願いします」 運転手: 「わかりやした。本日も2人、「湯らっくす」までお送りしやしたよ。」 しました。ではなく、しやした。と癖の強い喋り方が印象的で、その後も会話が続く。 運転手: 「私は、数十年タクシーの運転手をやっておりますけどもね、全国から「湯らっくす」目当てで多くの方がお越しになってやすよ。まあ、熊本は水がいいですからね。それに、ドラマのロケ地にもなったとかで随分有名になりやしたね。」 小生: 「そうですか。(そんなことは知っている)」 運転手: 「震災があった時は、町中が大きなダメージを受けて、「湯らっくす」もしばらく営業できなかったんですよ。それでも今こうして全国から多くのお客さんが来るようになったのは感慨深いものですよ。震災の後から聖地聖地なんて呼ばれるようになってね。。」 小生: 「...」 よく喋る運転手だ。それに「湯らっくす」は震災の後に有名になったのではない。かなり昔から全国のサウナ好きの間では聖地として親しまれてきたのだ。「湯らっくす」までの道のりを静かに噛み締めたかったのだが、ペースを乱された。 しばらくすると、「湯らっくす」の建物が見えてきた。ドラマで見た建物の外観がそのままの姿でそこにある。一気にテンションが上がり、施設の周囲を歩き、写真をとる。お辞儀をして入り口を通過し、靴箱に靴を入れ、ロッカーキーを受付に預ける。 小生: 「フリータイムでお願いします。」 受付: 「ご利用は初めてですか?」 小生: 「はい」 そこから施設内の説明を受けるが、早くサウナに行きたくて仕方がないのを察知したのか、大幅に説明をショートカットしてくれた。館内着を受け取り、ロッカールームに向かう。2階に上がると、レストラン、ヨガスタジオ、リクライニングルームなどがあり、照明は暗めでモダンな雰囲気だ。リラックスするのにこれ以上の空間はないように思う。それに、館内中にいい匂いが漂っている。鼻から思いっきり空気を吸い込み、深呼吸をする。まだ風呂に入っていないのに、もう整いそうになっていた。 ロッカーで館内着に着替え、大浴場へ向かう。入り口付近のアロマタオルで顔をふき、脳を刺激する。大浴場の扉を開けると、そこにはドラマや雑誌で何度も見た光景が広がっていた。大浴場の中央に鎮座するのは、「湯らっくす」名物の水風呂だ。阿蘇の天然水を贅沢に使用した水深171cmの巨大な水風呂。神聖な空気を感じる。大浴場内に充満する湯気も、雰囲気を増強させている。まさに聖地だ。 身を清めて天然温泉にゆっくりと浸かる。大きな浴槽では、様々なタイプのお風呂が楽しめるようになっている。ジェットバス、電気風呂、さらに、浴槽内にリクライニングチェアがあり、水中でリクライニングしながら天然温泉を堪能できる。サウナや水風呂だけではない。聖地と呼ばれるだけあって、利用者を楽しませるための仕掛けがあちこちにある。温泉に浸かりながら周囲を見渡すと、多くの利用客がいたが、皆最高に気持ちよさそうで、幸せそうな顔をしていた。多くの人の幸福感が、この聖地の空気を作り上げているのだろう。 満を持して1セット目のサウナに向かう。まずはメインサウナへ。ikiストーブと遠赤外線ヒーターの二台構成で、アロマの香りが漂っている。座面に敷かれたサウナマットはフカフカでとても気持ちいい。あぐらをかいて目を閉じ、全身の毛穴が開き始めるのを感じる。聖地ということもあり、自然と背筋が伸びる。顔はかなりニヤついている。優しい熱に包まれること10分、そろそろ限界が近づいてきた。いよいよ、あの水風呂に入る時間がやってきた。 かけ水で汗を綺麗に流し、階段を上り、水風呂に入る。刹那、とろけるような質感の水が小生の身体を包み込む。柔らかく、温泉水のようにも感じる。加えて、水温14℃程度、水深171cmということで、頭まで浸かることができる。しばらく水風呂に浮かんだまま天井を見上げ、なんて気持ちいいのだろうと感動する。水の都 熊本の恵みを全身で感じることができた。 水風呂の後は、休憩スペースに移動する。20個近い休憩椅子が浴場内に並べられており、水風呂の後の極上の時間を逃さないように設計されている。最高に気持ちいい水風呂の後は、最高に気持ちいい外気浴を楽しむ。そしてまた最高に気持ちいいサウナ室へ。ここなら、このループを永遠に繰り返すことができるような気がしてきた。 2セット目は、メディテーションサウナに向かう。メインサウナとは違いテレビはなく、一筋の光が差し込むだけの暗いサウナ室。落ち着いた空間の中でセルフロウリュウを行い、サウナストーンに水が当たる音、そこから生まれる蒸気を全身で感じる。何度もセルフロウリュウを行い、徹底的に瞑想する。自分の呼吸と脈にのみ意識を集中させる。他の客も同じように瞑想している。聖地でのサウナ浴をマインドフルネスで味わっている。その連動した空気感が、この神聖化したサウナを造っている。小生もその一部としてひたすら身体を温めた。 2セット目の水風呂も極上であった。そして、念願のイベントにチャレンジした。「湯らっくす」の水風呂には「MAD MAXボタン」というものがある。水風呂の壁にボタンがあり、このボタンを押すと大量の水が天井から滝のように降り注ぐ。深い水風呂の中で縄を持ち、落ちてくる水を頭に浴びる。とてつもない爽快感だ。最高に気持ちいい。この名物イベントを是非とも味わってみたかったので、また一つ願いがかなった。 3セット目は、「大阿蘇大噴火瞑想サウナ」と呼ばれるミスト×塩サウナに入る。床下から温泉蒸気が吹き出すユニークなスチームサウナで、サウナ室内が見えなくなるほどの蒸気に包まれる。しばらく蒸された後は、塩を身体に塗り、スベスベな肌に仕上がっていく。徹底的に蒸した後は、また極上の水風呂へ。深い水風呂に前向きに倒れこみ、全身を冷却する。水風呂に前向きに倒れこむという行為も、特別な行事である。深く、広く、潜れる水風呂かつ他に客がいない時でないと実行できない。幸いなことに、水風呂には誰もいない。やるしかないということで実行した。異常なほどの爽快感が襲ってきて、3セット目の外気浴ではしばらく意識を失っていた。 いつもは3セットで終わることが多いが、せっかくの聖地だし、何より気持ち良すぎるので追加で2セット。合計5セットのサウナ→水風呂→外気浴を行った。熊本に移住しようかなと思いながらロッカーで着替えを済ませ、2階のリクライニングルームに移動する。しばらく横になり、風呂上がりの極上の時間を過ごした。
「湯らっくす」名物 麻婆豆腐定食
「湯らっくす」名物 麻婆豆腐定食
手作りタルタルたっぷり黒酢のチキン南蛮
手作りタルタルたっぷり黒酢のチキン南蛮
落ち着いた雰囲気のレストラン。サウナの後、ここで提供される料理を食べると誰もが笑顔になる。
落ち着いた雰囲気のレストラン。サウナの後、ここで提供される料理を食べると誰もが笑顔になる。
「湯らっくす」は、食事も美味しい。この日は、「「湯らっくす」名物 麻婆豆腐」と「チキン南蛮」を堪能した。サウナ後の食事としては完璧なメニューではないかと思う。落ち着いた雰囲気の中で一口一口を味わう。サウナで整い、食事で整い、そのあとはリクライニングルームで漫画を読みながら昼寝をし、今何時かもわからない。 時間感覚を喪失したのはいつぶりだろう。小生は、意識的にスマホを触らないようにはしているが、やはり日々の仕事や生活で、電子デバイスは常に身近にある。時間や情報を手放し、温泉、サウナ、食事を全身で感じ、眠たくなったら起きる時間を決めずに寝る。まるで人生を再起動するような感覚だ。そして、再起動はやはり人生には必要である。稼働し続けると、いつかは故障する。適度に休憩し、再起動し、リセットしてまた頑張って、またリセットして、人生を頑張っている自分を愛でてあげる。「湯らっくす」という最高の施設で、人生を再起動できたことに大いなる喜びを感じる。 昼寝から目が覚めたが、とてもスッキリしている。リクライニングのテレビをつけて時間を確認すると16時になっていた。 そろそろ次の目的地(本日の宿泊先)に行こうか。これからいく場所にも、極上のサウナがある。ラグジュアリーをテーマに、檜張りの和をモチーフにしたサウナ室、地下水を贅沢に使った水風呂、高級感あふれる外気浴スペースやラウンジを備え、サウナ好きなら一度は訪問してみたい熊本の極上サウナ「湯屋 水禅 Luxury Sauna & Spa」だ。

基本情報

施設名
湯らっくす
施設タイプ
温泉・スパ・ホテル・旅館
住所
熊本県熊本市中央区本荘町722
googlemapで見る
定休日
年中無休
営業時間
24時間営業
タトゥー入浴
🚫 タトゥーNG

利用条件

⚠️

タトゥー入浴禁止

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メディテーションサウナ

90°C
ドライサウナ対流式ストーブ(サウナストーン)8

一筋の光だけが差し込む静寂な空間で、瞑想とサウナを融合させた新しい体験ができる。2016年の熊本地震後、ロウリュウ式サウナとの出会いをきっかけに誕生した。薪の燃える音、水蒸気の音、ヴィヒタの香りが五感を研ぎ澄まし、深いリラックス状態へ導く。セルフロウリュで自分のペースを保ちながら、心身を内観できる。静かな熱に包まれ、徹底的に自分と向き合う時間が流れる。

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クラシックサウナ

100°C
ドライサウナ対流式ストーブ(サウナストーン)30

毎時開催されるアウフグースイベントが最大の魅力。アウフグースマスターがタオルの演舞とともに熱風を送り、アロマの香りとともにサウナ室がライブ会場のような熱気に包まれる。毎日12時から翌1時まで1時間ごとに開催され、短時間で大量発汗を促す。高温の熱波が全身を包み、爽快感と高揚感が一気に押し寄せる。西の聖地を象徴する、エンターテインメント性の高いサウナだ。

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大阿蘇大噴火瞑想サウナ

50°C
スチームサウナビルトインストーブ8

床下を流れる温泉の蒸気を利用した、湯らっくす独自の体験型サウナ。所定の場所に水をかけると、床の隙間から温泉蒸気が一気に噴き出し、全身が熱い蒸気に包まれる地獄蒸し体験ができる。塩桶も設置されており、塩を体に塗ることで美肌効果や発汗促進、血行増進が期待できる。阿蘇の火山活動を彷彿とさせる、ダイナミックで独特の熱が体を芯から温める。湿度高めの蒸気が肌を優しく包み込む。

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水風呂

15°C
地下水掛け流し8

熊本の豊富で清潔な地下水を使用した水風呂。一日約8回、全ての水が入れ替わる頻度で新鮮な地下水を供給しており、常に清涼感のある水質を保つ。掛け流しのため水の鮮度が高く、キリッとした冷たさが高温サウナで熱した体を一気にクールダウンする。地下水特有の柔らかさと清涼感があり、サウナ後の爽快感を最大限に引き出す。