湯屋 FUROBAKKA
富山県
Vol.3
2025/10/3-6 北陸サウナ旅(富山・石川)

湯屋 FUROBAKKAを訪問

極上薪サウナと黒部の名水風呂

📅2025/10/410:00
北陸サウナ旅の2日目は、「湯屋 FUROBAKKA」からスタートだ。 富山駅で「あいの風とやま鉄道」という在来線に乗り、黒部駅を目指す。広大な田園風景や立山連峰を車窓から眺めていると、あっという間に黒部駅に着いた。駅の周辺は特に何もない。「湯屋 FUROBAKKA」までの道のりを調べると、徒歩で20分ほどかかるようだ。待てない。早くサウナに入りたい。駅のロータリーにタクシーが止まっていたので即座に乗り込み「湯屋 FUROBAKKAまでお願いします」と告げた。 入り口の前に立ち、ニヤニヤしながら施設の写真を撮った。なぜ小生がここまで興奮しているかというと、「湯屋 FUROBAKKA」のサウナと小生の理想のサウナが非常に近しいものだからだ。小生の理想のサウナは、静寂で暗い小屋の中で薪ストーブの炎を眺め、薪の燃える音に耳を澄まし、薪の匂いを楽しみ、瞑想状態に誘ってくれるサウナだ。 富山県のサウナ施設を調査して「湯屋 FUROBAKKA」を見つけた時は、「こんなサウナとの出会いを待っていた」と呟いてしまったものだ。その理想のサウナが目の前にある。興奮しないわけがない。施設に入る前から成功を確信していた。幸いなことに開店直後かつ天候が雨ということもあり、駐車場はがら空きである。人が少ないことも確定している。なんという幸運か。さっさと受付を済ませて薪サウナを堪能しようではないか。 受付を済ませて大浴場に向かう途中で、すでに嗅覚を支配された。施設全体に薪の素晴らしい香りが漂っているのだ。通路の両端には、サウナで使用する大量の薪がストックされている。この雰囲気も最高だ。脱衣所に移動して秒速で全裸になり浴場に入った。誰もいない。貸切のようだ。大浴場を貸切で利用できるとは、さすがに予想していなかった。身を清めて、まずは炭酸風呂に入ることにする。10分ほどリラックスしていると次第に身体が温まってきた。サウナに入る準備は整った。体の水滴を拭き、サウナのある露天エリアに向かう。 「湯屋 FUROBAKKA」の大浴場には、2種類のサウナがある。洞窟のような雰囲気を楽しめる「あなぐらサウナ」と、小屋をモチーフにした「やまごやサウナ」の2つだ。どちらも薪サウナである。 まずは、「あなぐらサウナ」に行くことにした。コンクリートで囲まれた洞窟のような建物が見えてくる。入り口の扉を開けると、そこには別世界が広がっていた。真っ暗な室内を照らすのは、薪ストーブの炎と入り口の隙間から漏れるかすかな灯りだけ。サウナの壁もコンクリート打ちっぱなしで本当に洞窟のようだ。ゆっくりとベンチに腰掛けた。室内の温度は85℃。とにかく熱が柔らかい。さらに、薪の香り、薪の燃える音、炎が格別の癒しを与えてくれる。漆黒の闇の中で焚き火をしているような感覚になる。そして、ここには小生以外に誰もいない。こんな空間を独り占めできるチャンスはない。ゆっくりと目を閉じて無になる。何も考えず、ただ薪の音と香りを楽しんだ。10分ほど入っていただろうか。完全に瞑想状態になっていた。座っている場所は同じなのに、どこか遠い世界に行っていたような感覚さえある。長年サウナに入ってきたが、こんな経験は初めてだ。かなり汗もかいてきたのでそろそろ水風呂に行くことにしよう。 「湯屋 FUROBAKKA」の水風呂は、自然豊かな黒部の恵みでもある地下水を毎分560リットル汲み上げて贅沢に使用している。その水風呂に吸い込まれるように入った。温度計は13℃を指している。かなり冷たいが、地下水特有のまろやかさがある。水道水の13℃なら、こんなにリラックスして浸かることはできない。ふと横を見ると、ものすごい勢いで水が注がれている。ニヤついてしまう。お待ちかねの水を飲む時間だ。両手いっぱいに黒部の名水を溜め込み、ゴクっといただく。はあ。なんて美味しいんだ。薪サウナで癒された体に沁みていく。エネルギーがチャージされていくような気がする。そのまま外気浴のチェアに寝転がり、至高のリラックスタイムがやってきた。 2セット目は、「やまごやサウナ」に行く。「あなぐらサウナ」とは異なり、大きな窓があり室内は明るい。窓からは、隣接する大きな公園が見える。緑豊かな景色が癒しを与えてくれる。何より、やっぱりいい香り。薪サウナ最高だな。この「やまごやサウナ」では、セルフロウリュを楽しむことができる。大きな薪ストーブの上に大量のストーンが積まれており、その上から水をかけることができる。一人しかいないので何度もロウリュをした。ここでも瞑想状態になった。薪の音、匂い、炎に全神経を集中した。次第に大量の汗をかいてきたので、2度目の水風呂に向かう。黒部の名水で身体を冷やし、そのままの流れで天然水を飲む。なんて気持ちいいんだ。 その後も、「あなぐらサウナ」と「やまごやサウナ」を2セットずつ(計6セット)楽しみ、午前中のサウナ活動は終了した。
通路には大量の薪がストックされている
通路には大量の薪がストックされている
休憩室
休憩室
ランチのナポリタン at 電鉄黒部駅「パスタ食堂 Regalo / レガロ」
ランチのナポリタン at 電鉄黒部駅「パスタ食堂 Regalo / レガロ」
サウナを出て着替えを済ませた後、休憩室(写真2枚目)で横になったまま30分ほど動けなかった。あまりの快感と満足感で放心状態になってしまっていたのだ。自分の理想を全て詰め込んだような夢のサウナだった。 サウナ旅で心から感動した時、放心状態になることがよくある。そんな時は、心ゆくまで放心状態を楽しむようにしている。知らない土地だし知り合いもいない。人目を気にする必要もない。どうせ一人旅だし、サウナ以外に決まった目的地もない。「よし、そろそろ行くか」という気持ちなるまで永遠に動かない。日常生活では、自分の欲望を抑えなければならないことが多いため、サウナ旅では思い切り自分を解放している。思うままに動く。それが人間らしさなのだ。 休憩室で意識を取り戻し、そろそろ行動しようというマインドになってきた。まだ午前中だ。夜まで時間がある。この時間をどう過ごすか。何も計画していない。今から決める。この自由度が旅の魅力だ。さて、どこに行こうか。黒部の名所を調べていると「宇奈月温泉」という観光地を見つけた。黒部の峡谷に温泉街があり、峡谷の深部までアクセスできるトロッコ列車があるらしい。電車に乗りながら大自然を堪能できるのか。いいじゃないか。暇つぶしにはもってこいだ。宇奈月温泉を観光して、本日の宿泊先に向かうとしよう。 ちなみに、本日の宿泊先も小生が以前から注目していたサウナ施設である。日本のサウナの聖地「サウナしきじ」の娘である笹野美紀恵氏がプロデュースしたサウナがそこにあるのだ。富山県魚津市にある「ホテルグランミラージュ」の9Fに位置するその施設の名は、「スパ・バルナージュ」である。本日の夜も、極上のサウナが小生を待っている。 そんなワクワク感に包まれつつも、「湯屋 FUROBAKKA」との別れはやはり悲しく、涙を流しながら施設を後にした。

サウナ・水風呂の情報

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やまごやサウナ
男性用
90°C
ドライサウナ
対流式ストーブ(サウナストーン)
12
大浴場の露天スペースにある国産檜を使用した薪サウナ。テレビはなく檜の香りと薪の音を楽しめる。セルフロウリュ可能。人気熱波師によるアウフグースイベントはこちらのサウナで開催される。
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あなぐらサウナ
男性用
80°C
ドライサウナ
対流式ストーブ(サウナストーン)
10
コンクリートで覆われた暗い室内はまるで洞窟。薄暗い室内を薪ストーブの炎が照らし、柔らかい熱を感じながら薪の燃える音や香りを楽しめる。瞑想するのにぴったりな空間。定期的な自動ロウリュあり。
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土管タイプ1
男性用
13°C
地下水
掛け流し
飲用可
土管タイプで深さ160cm
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土管タイプ2
男性用
13°C
地下水
掛け流し
飲用可
土管タイプで深さ100cmくらい
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浴槽タイプ
男性用
13°C
地下水
掛け流し
縦長の浴槽タイプ

基本情報

施設名
湯屋 FUROBAKKA(フロバッカ)
施設タイプ
温泉・スパ
住所
富山県黒部市堀切951-1
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定休日
年中無休
営業時間
10:00〜23:00
不定休あり